沖縄戦の犠牲者を悼む「慰霊の日」の23日、東京都内では東京沖縄県人会青年部による「慰霊の日を考える集い」が開かれ、若い世代が歴史の継承を誓った。  世田谷区の集会場に15人のメンバーが集まり、沖縄で生まれた平和を願う歌「月桃(げっとう)」が、なぜ歌い継がれているかを話し合った。

三線に合わせて「月桃」を歌う人たち=23日、東京都世田谷区で(市川和宏撮影)

 「月桃」は、沖縄のシンガー・ソングライター海勢頭豊(うみせどゆたか)さんが1982年に発表。歌詞では、沖縄に自生し初夏に白い花を咲かせる多年草に、戦死した人々への思いを託している。毎年、慰霊の日が近づくと県内の学校でよく歌われる。  ♪月桃ゆれて花咲けば 夏のたよりは南風 緑は萌えるうりずんの ふるさとの夏  メンバーからは「明るい曲調なのにどこか切ない」「不戦の誓いを確認した」などの意見が出た。最後は三線(さんしん)を演奏しながら合唱。都内の小学校教諭の高橋あすかさんは「慰霊の日を知らない子どもたちも多い。三線を学校に置いているので、歌を通して、子どもたちに教えていきたい」。県人会青年部委員長の宮城知佳さん(34)も「音楽を通じて沖縄への理解を深めてもらえれば」と話した。(井上真典) 

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