新潟市西蒲区の間瀬集落でイノシシの出没が相次いでいます。
情報をもとに取材班が現地に向かうと、イノシシと遭遇。さらに、人里に降りてくる理由が見えてきました。

21日午後2時。
日本海にほど近い新潟市西蒲区間瀬で住民に話を聞いている、まさにそのときでした。

【記者】
「イノシシ、イノシシ!」
「小学校の跡地で取材をしていたら、茂みの中からイノシシが現れました。体長は1メートルもないように見えます」

人間の存在など気にせず、我が物顔で民家のある方へと歩いていくイノシシ。
住民も慣れている様子です。

【住民は】
「あれくらいの大きさのは、この辺をうろうろしているんだろうと思う」

西蒲区役所によりますと、昨年度に西蒲区でイノシシが目撃されたのは69件で、前年度に比べ22件増えているということです。
さらに今年度に入ってからは、すでに24件の目撃があり、そのうち19件が取材した間瀬に集中しているのです。

【西蒲区役所 区民生活課 小川崇宏さん】
「イノシシの子ども=ウリ坊の目撃もありますし、豚ぐらいの大きさのイノシシ(の目撃情報)もあるし、一番大きいのはウシなんて声も…」

カメラの前に姿を現したイノシシの様子を見ると、人里での出没が増えている理由が見えてきました。

【記者】
「私がいる位置から10メートルほど先にイノシシがいるのですが、人に慣れているのか全く動じず、畑を荒らして野菜を食べ続けています」

イノシシがいるのは民家の横にある畑。
一度、取材班と目が合いますが…そのまま畑を荒らし続けます。

ネットを潜り抜けて畑に入り込むイノシシ

【西蒲区役所 区民生活課 小川崇宏さん】
「そこで生まれ育ったイノシシがいっぱいいると思うんですね。人慣れしてきていて、子どもだと警戒心が薄くて、人が住んでいるところにも出てきやすくなっているのかなと」

西蒲区によりますとイノシシの性格は警戒心が強く、人間を避けて行動しますが、慣れやすいため、一度安全だと判断すると、物怖じせずに行動するようになるそうです。
西蒲区では人身被害は出ていませんが家庭菜園の被害は多いといいます。

【住民は】
「こういうの(イモ)が50本から60本あったかな。全部荒らされた」

住民に話を聞くと、自宅の横にある畑で去年から3回ほどイノシシを目撃しているといいます。
5月上旬には、植えていたジャガイモをイノシシに荒らされたため、野菜をネットで囲んで対策しています。

【住民は】
「しょうがない、動物だって腹減ってんだから…と思ったけど、それでもくやしいわな」

西蒲区役所はイノシシと遭遇したら刺激せず、背中を見せないようにゆっくりと下がって距離をとってほしいと呼びかけています。

【西蒲区役所 区民生活課 小川崇宏さん】
「生ごみと畑の残渣(ざんさ=残りかす)を置いていると、イノシシを近寄らせてしまう原因になるので、しないでいただきたいのと、柵とかをして物理的にイノシシを寄せつけないのがいいのかなと思います」

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