17日に山形県上山市で発生した事故で、観光バスを誘導していたバスガイドの女性(39)がバックしてきたバスと電柱の間に挟まれ死亡した。


この事故で、バスを運転していた69歳の男が逮捕され、現在、捜査が進められている。

警察は、実際に事故を起こしたバスを使い、運転手の男とともに実況見分を行ったという。事故を起こしたバスは警察の調べを終え、すでに所有する宮城県の会社に返却されている。

バスにはバックカメラ・モニターが完備され、後方の音声が聞けるマイクも装備されていた。カメラとモニターは機能していたことがわかっている。

警察は男がなぜ後方の安全確認を怠ったのか、また何かに気を取られていなかったのかなどを調べている。

■報道から出た疑問

TUYは今回の事故を取材する中で、バスを所有する宮城県の会社の社長にインタビューした。その中で、今回バスをバック誘導する際にガイドの女性が笛を使っていなかったことを報道した。

バスガイドといえば、バスを誘導する際に笛を吹き、手を振りながら誘導している姿を見たことがある人も多いだろう。

しかし、社長によると「騒音苦情などもあり、今は笛を使っていない」とのことだった。現に今回の事故現場でも笛は使用されていなかった。

※今回の現場から苦情が出たわけではない

この報道後、インターネット上には次のようなコメントが見受けられた。

■ネット上の言葉

「苦情で笛を使えない?ありえない」

「安全のための笛を騒音とか終わってる」

事故を起こしたバス会社は単に苦情だけを理由に笛の使用をやめたわけではないが、理由のひとつだったことは事実。

これに対し”苦情”で”安全”が犠牲になってはいけないとの不満が聞かれたのだ。

では、山形県内はどうなのか。笛は使われていないのか。

■県バス協会に聞いた

県バス協会には観光バスと乗り合いバスを持つ25社が加盟し、加盟社が保有するバスは約250台になる。協会では今回の事故を受けて、加盟する会社に対し安全に留意するようメールで通知したほか、警察からも安全運行に努める通知が来たため共有したという。

県バス協会の担当者はTUYの取材に対し次のように答えた。

■誘導の際は笛を使っているか

「すべてを把握していないが、今はあまり使っていないと聞いている」

■その理由は苦情か

「苦情はあるにはあったが、それだけではない。今はバスの後部にマイクがあり、そこで声を拾うシステム。運転手に誘導する人の声が聞こえるようになっている」

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