気象の情報が2年後に大きく変わります。梅雨に入るとこれまで以上に大雨に注意が必要になります。場合によっては、避難が必要な大雨になる日も出てくるかもしれません。そこでおさらいしておきたいのが、5段階警戒レベルです。

5段階警報レベルとは

星野誠気象予報士:
これは5年前に導入されたもので、自治体が発表する避難に関する情報を危険度によって5段階にレベル分けしたものです。

実は、それぞれのレベルに、相当する気象の情報があるというのを、みなさんご存じでしょうか。


例えば、土砂災害の場合ですと、大雨警報はレベル3に相当する情報とされています。これはどういうことかというと、例えば仙台管区気象台が大雨警報を発表したら、その市町村は警戒レベル3の高齢者等避難を出す目安とされているんです。
それから、土砂災害警戒情報はレベル4に相当する情報なので、仙台管区気象台が土砂災害警戒情報を出したら、その市町村は警戒レベル4の避難指示を出す目安とされているんです(これらはあくまでも目安で、例えば土砂災害警戒情報が発表されても、避難指示が発令されないこともあります)。

佐藤朱アナウンサー:
でも、いま出てきた大雨警報とか、どの情報がレベルいくつに相当するかなんて、なかなか覚えられないですよね?

星野誠気象予報士:
そうだと思います。そこで、こうした分かりにくい情報の名前はどうしたら分かりやすくなるだろうかと、専門家や報道関係者が2年間かけて検討を続けてきて、18日、その最終案が発表されました。

情報の前に「レベル」の数字がつきます

星野誠気象予報士:
どうなったかといいますと、情報の名前に、相当するレベルの数字をつけることにしたのです。
今までの大雨警報は「レベル3土砂災害警報」、土砂災害警戒情報は「レベル4土砂災害危険警報」という名称になります。

佐藤朱アナウンサー:
危険警報というのは聞いたことがないですね。

星野誠気象予報士:
はい、警報と特別警報の間に危険警報という新しい区分が設けられました。
いまお伝えしたのは土砂災害についての名称ですが、他にも、洪水、低い土地の浸水、高潮についても、同じようにレベルをつけた形の情報に変わるということになります。

新しい情報、専門家の評価は…

この、新しい情報の案について、防災情報に詳しい東北大学の佐藤翔輔准教授は、抜本的な見直しだと評価しています。

東北大学災害科学国際研究所 佐藤翔輔 准教授:
「(レベルの)数字が付いているということは危険性を直感で理解することができるんですね。危険な状況を認識して、地震の行動を促す良い情報・材料になるのではないかと思います」

東北大学災害科学国際研究所 佐藤翔輔 准教授

星野誠気象予報士:
この案は今後、気象庁が最終決定したうえで、2年後の2026年からの運用を目指します。気象の警報などの名前がこれだけ大きく変わるというのは非常に歴史的なトピックですので、tbc気象台では折を見て今後も皆さんにわかりやすくお伝えしていきたいと思います。

星野誠気象予報士 佐藤朱アナウンサー

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