長野市議会の最大会派「新友会(しんゆうかい)」が主催する会合に参加した市民に、1500円のケーキセットと、一律3000円の交通費が、政務活動費から支払われていた問題で、新友会は19日、今後の政務活動費の運用方法の検討を始めました。

長野市議会の本会議を前に、総会を開いた最大会派の新友会。

非公開で話し合ったのは、今後の「茶菓料」と「交通費」の運用方法です。

問題となっているのは、「新友会」が市民との意見交換を目的に、市内のホテルで開いている「政策モニター研修会」です。

この会合では、参加者に一人あたり1000円から1500円のケーキセットと、一律3000円の交通費がいずれも政務活動費から支払われていました。

市は、議員が行う研究や研修、調査、広報、市民の意見の把握などに対して、議員1人当たり毎月8万5000円分の政務活動費を各会派に交付しています。

市民が参加する会合で、お茶や菓子、交通費の支給は認めていますが、金額に上限はなく、高額のケーキや、実費を上回る定額の交通費の支給は、公職選挙法違反の寄付行為に当たるのではないかという指摘があります。

この日の総会を受けて、新友会の小泉会長は…。

新友会 小泉栄正(こいずみ・えいしょう)会長:
「条例、規則、指針に基づいて今まで運用してきたんですけど、みなさんからご指摘がございましたので改善をしていく」
「市民目線といいますか、市民感覚というものを大事にしながら対応していきたい」

新友会 寺沢さゆり議員:
「会派としてお騒がせしておりますことに対して、議会及び市民の皆様にお詫びを申し上げます。今後会派として真摯に対応してまいります」

本会議でも、新友会の寺沢さゆり議員が陳謝。

新友会は、ほかの市町村の基準を参考に、政務活動費に関する条例の修正案を検討し、議会に示す考えです。

休憩時間には、ほかの会派の議員が、新友会に説明を求める申し入れを行いました。

共産党長野市議団 野々村博美(ののむら・ひろみ)議員:
「政治とカネの問題にはしっかりと対応していく、これが市民の皆さんの信頼を回復していく道だと思っております」

改革ながの市民ネット 鈴木洋一(すずき・よういち)議員:
「あいまいなところはしっかりと明確な基準を設けるなど、わたくし共も一人ひとりしっかりと襟を正しながら議員活動を行える体制を整えていきたい」

次世代長野 和田凌弥(わだ・りょうや)議員:
「新友会さんにはきちんと説明をしていただいて、市議会全体で正しく変えていくべきもの作っていくもの、そういった議案ではないかと受け止めています」

市政にとって重要な市民からの意見。

市の財政も厳しさが増す中で、制度の趣旨がしっかり果たされるルールや運用が求められています。

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