福島県浪江町で帰還困難区域となった津島地区の住民が国と東京電力を訴えている裁判で、原告側は、安全対策が不十分なまま、原発を設置させた国の責任を訴える新たな主張を展開しました。

浪江町津島地区の住民が国と東電を訴えている裁判の控訴審が、18日、仙台高裁で行われました。この中で、原告側の代理人は、原発事故は「長時間にわたって外部電源も内部電源もなくしたために、原子炉を冷却することができなかったことが原因」と指摘。安全対策が不十分なまま、原発を設置させた国の作為についても責任があるという新たな主張を展開しました。

これまでの裁判では、津波を予見できたかや対策を講じていれば、事故を防げたかといった点が、焦点となってきましたが、最高裁がおととし6月に、防潮堤を設置しても事故は防げなかったという判決を示していて、今回の主張は、これに対抗した形です。

また、この日の裁判では、石垣陽介裁判長が、現地を確認する現地進行協議を行うことを明らかにしました。裁判官の交代に伴うもので、控訴審での現地進行協議は、2回目です。原告側によると、9月から10月に行われる見通しです。

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