鹿児島県警の前の生活安全部長が警察情報を漏らしたとして逮捕されるなど、県警で不祥事が相次いでいることを受けて、鹿児島県議会では17日、県警への調査のため、強い調査権限を持つ百条委員会の設置を求める意見が出されました。

(県民連合 福司山宣介県議)「地方自治法第100条による調査をするための特別委員会の設置を提起する」

県警では今年4月以降、警察関係者が情報漏えい疑いで2人、盗撮、わいせつ疑いで2人のあわせて4人逮捕されています。

そのうち、前の生活安全部長で元警視正の本田尚志容疑者は、「野川明輝本部長が現職警察官の盗撮事案を隠蔽しようとしたため、記者に情報を送った」と主張していますが、野川本部長は県議会の常任委員会でも「隠蔽の意図は一切ない」と否定しています。

17日の議会運営委員会で、野党系の県民連合は「県警内部では自浄能力を発揮できない」などとして、強い調査権限を持つ百条委員会の設置へ向けた協議を、与党の自民党など各会派に呼びかけました。

百条委員会は地方自治法第100条に基づいて設置される特別委員会です。「正当な理由なく証言を拒んだ場合や虚偽の証言をした場合に、禁錮などの罰則が定められる」強い権限があり、議会事務局によりますと、県議会ではこれまでに設置されたことがありません。

(県民連合 福司山宣介県議)「(県警は)個別の事案には答えないので、可能な限り参考人など招集することもできるので、あらゆる角度から検証して解明する努力はできる」

百条委員会の設置には本会議での採決が必要ですが、最大会派の自民党が17日に開いた県議団の執行部会では「百条委員会の設置には意義がある」などの声もあり、18日に総会を開いて対応を決めることにしています。

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