新潟県見附市月見台で織物染色を行っていた『見附染工』が、14日に自己破産を申請していたことがわかりました。民間の信用調査会社・帝国データバンク長岡支店によりますと、負債総額はおよそ16億円が見込まれており、近く新潟地方裁判所から破産開始の手続きが決定されるとみられています。

旧栃尾市にあった染色整理業大手「紺藤整染」の見附工場を1980年に分社独立するかたちで設立された『見附染工』は、特に合繊複合素材の染色整理を得意とし、衣料関係のあらゆる素材に対応しながら、1988年5月期には約24億5100万円の年間売上を計上していました。

「紺藤整染」とは分社化以降も歩調をあわせていましたが、業界全体に及ぶ輸入繊維製品の台頭やアパレル関連の海外生産シフトの影響から、業績不振が続く「紺藤整染」が2002年に経営破たん。その際に『見附染工』も大幅な赤字を計上し、債務超過に陥っています。
加えて『見附染工』は、2004年に7.13水害や中越地震で工場が被災。
設備投資などを目的にした金融機関からの借入金も増大していました。

このような状況下でも繊維関連の市場規模の縮小は続き、さらに新型コロナウイルス禍もあって原材料やエネルギー価格なども高騰する一方で価格転嫁も進まず、年間売上高は8億円程度にまで低下。
資金繰りの厳しさは続き、赤字決算も避けられず、過去の設備投資や赤字補填などを目的とした金融機関からの多額な借入金の返済が負担となり、事業継続を断念したとみられています。

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