宮崎県西都市で生産されているある新しい食材に注目します。
それが、見た目も珍しい「白いキクラゲ」です。どんな食材なのか取材しました。

日焼けしないように遮光して栽培

西都市にある「きくらげ堂」。
代表の黒木真二さんにハウスを案内してもらいました。

(廣末圭治記者)
「中、真っ暗ですね…」

真っ暗なハウスで栽培されていたのは、真っ白なキクラゲ。
黒木さんは、4年半前からこの「白いキクラゲ」を栽培しています。

(きくらげ堂 黒木真二代表)
「日焼けしないように遮光して栽培しています」

キクラゲは光に当たると変色してしまうため、栽培ハウスの中は常に真っ暗なのです。

この「白いキクラゲ」は、アラゲキクラゲの突然変異で生まれたもの。その確率は1万分の1とも言われています。

独自に生み出した栽培方法

黒木さんは、大手自動車関連企業でエンジニアとして活躍した経験を生かして、栽培ハウスを自ら設計し、これまで確立されていなかった白いキクラゲの栽培方法を独自に生みだしました。

黒木さんが栽培する白いキクラゲの特徴は、その大きさや厚みです。

(きくらげ堂 黒木真二代表)
「いつ水が必要なのか、それを見極めて散水をしている。それが肉厚を出す秘訣というか」

空気の循環や温度・湿度の管理を徹底することで、より肉厚で上質な白いキクラゲに育つと黒木さんは話します。

そして、その食べ方はというと…

(きくらげ堂 黒木真二代表)
「鍋に入れたり、みそ汁に入れたり、あとは酢の物とか」

食べた瞬間に、これおいしい 手軽に買えるように売りたい

串間市のスーパーでは、この日、入り口のいちばん目立つ場所に白いキクラゲが並べられていました。

生産量が少ないため、一般の店舗には、まだ、ほとんど流通していない白いキクラゲですが、このスーパーの堀口直樹さんがその魅力にほれ込み、今年から販売を始めました。

(四季彩館ほりぐち 堀口直樹専務)
「食べた瞬間に、これおいしいと。自分も知らなかったが、みんなも知らないだろうなと思って、手軽に買えるように売りたいなと思って」

(購入客)
「何だろうって初めて見たとき思ってた。え?って感じでいつもラーメンに入っているのは茶色ですもんね」
「初めて見たから、何か体に良さそうだと思って、食べてみようと思って。ドレッシングかけたりいろいろしてみようかな、試してみようかな」

さらに堀口さんは、店頭だけでなくSNSでも積極的に白いキクラゲをPRしています。

(四季彩館ほりぐち 堀口直樹専務)
「たぶん、見ただけでは、扱い方とか料理の仕方が分からないと思うので、それを見てもらって、まずは茹でて白くなるところを見てほしいなと」

白いキクラゲをフレンチに

この白いキクラゲは、意外な料理にも使われています。
国富町にあるフランス料理のレストラン。

尾畑和雄シェフは、白いキクラゲをフレンチに取り入れました。

こちらの洋風茶碗蒸しは、ソテーしたフォアグラを、下処理をして蒸した白いキクラゲとともにトリュフソースをからめていただく贅沢な一品です。

(ラポール・ド・クニトミ 尾畑和雄シェフ)
「そのキクラゲのいいところを出したいので、フランス料理なので、コンソメベースに白いキクラゲに味が染みるように」

この日、尾畑シェフの料理を初めて試食した黒木さん、満面の笑みが広がり、「おいしい」と一言。
傍らにいた尾畑シェフと笑顔を交わします。

(ラポール・ド・クニトミ 尾畑和雄シェフ)
「料理人は、新しいものとか珍しいものにすごく飛びつく。そういう生産者が宮崎県内にいて、県産ですよと、どんどん勧められる。こういう方が作って、こういう形で出してますということを広げていきたい」

※「ラポール・ド・クニトミ」での白いキクラゲ料理の提供
・白いキクラゲの入荷次第。 ・3日前の要予約

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