新潟市民芸術文化会館「りゅーとぴあ」に専属する舞踊団『Noism』を追ったBSN新潟放送のドキュメンタリー番組が、ドイツの国際映像コンクールで“金賞”を受賞しました。

新潟市の公共劇場を巡るこの番組は、芸術の国・ドイツで暮らす人たちにはどう受け止められたのでしょうか?

日本から飛行機で十数時間。
人口およそ180万人のハンブルクは、ドイツ北部に位置し大河エルベ川の河口から100kmほど入ったところにある国際港湾都市です。

このハンブルク中心部の高層ビルで『ワールドメディアフェスティバル』の授賞式が5月29日に行われました。

2000年に創設された『ワールドメディアフェスティバル』は、ヨーロッパ最大規模とされる国際映像コンペティション。テレビをはじめ、広告やWEBメディアなどのさまざまな映像作品が対象です。

ヨーロッパ最大規模とされる国際映像コンペティション「ワールドメディアフェスティバル」ドキュメンタリー部門のアーツ&カルチャーで金賞を受けたドキュメンタリー番組は、『劇場にて ― 舞踊家 金森穣と新潟』。
新潟市の公共劇場である「りゅーとぴあ」に専属する舞踊団『Noism(ノイズム)』の芸術総監督で演出振付家でもある金森穣さんの創作過程に密着し、佐渡の太鼓芸能集団『鼓童』との初共演を追った作品です。

授賞理由について主催者のサラ・チンブアさんは…
「新潟市と佐渡市の2つの地域が結び付き、より強いコミュニティーをつくります。ですから、お互いを支えて普段は集まらない人々(Noismと鼓童)を結び付ける作品を持つことは、非常に重要です。前向きな影響を与えるこの番組を私たちは評価しています」と話しました。

ハンブルクには、多くの公共劇場やホールが立ち並んでいます。
ここで暮らす日本人にも話を聞こうと、市街地から少し離れたところにあるバレエセンターを訪ねました。

世界的に有名な「ハンブルクバレエ団」の活動拠点を訪ねました。

【ダンサー 加藤あゆみさん】
「ここは全部スタジオで、ここでレッスンとリハーサルがある感じ」

ハンブルクバレエ団のジュニアカンパニー・ナショナルユースバレエで踊る加藤さんから、朝のトレーニングの後にハンブルクの街を案内してもらいました。

ハンブルクの街を歩きながら、加藤さんの仕事についても聞きました。

「普通のシアター(劇場)で公演があったり、市役所で踊ることもあれば、学校だったり、病院だったり…。先週末は刑務所で踊ってきました」
「私たちのジュニアカンパニーは8人。『ブンデス(国立)ユーゲントバレー』という名前で、ドイツのジュニカンパニーという意味。国のサポートがある」

ハンブルクでは3か月前、市庁舎の隣にカジュアルブランドショップがオープンしたそうです

文化や芸術を巡る 日本とドイツの違い

歴史的な背景などが異なるため一概に比較はできませんが、あえて国の年間の文化予算を比べると、日本の1145億円に対しドイツは2745億円。
国民一人当たりの額に換算すると、日本の913円に対してドイツは3298円と、その差は大きいです。

ドイツに渡って40年になるという打楽器奏者の小川留美さんはこう話します。

「ドイツは特殊な国で芸術にお金を出すんですよ。無駄遣いと考える人もいて、100%みんながいいと思っているわけじゃない。でもお金をどこに使うかというポストに座っている人が考えているわけですよね」

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