奈良市は裁判で争う姿勢です。

 訴状によりますと、2022年2月、奈良市立の小学校で当時3年の女子児童が同級生から足を蹴られ全治1週間のけがをしました。しかし学校側は証言の食い違いからすぐにはその事実を認めず、「いじめ重大事態」と認定されたのは両親が訴えた9か月後でした。

 その間、児童がノートに自殺をほのめかす文章を書いて提出したところ、当時の担任は
花マルをつけ、「You can do it」(あなたならできる)と記入。

 児童と両親は学校などの対応に精神的苦痛を被ったとして、奈良市に対して約250万円の損害賠償を求める訴えを起こしました。

 (女子児童の母親)「問題が発生してからずっとつらい思いをしてきました」
 (女子児童の父親)「学校側、教委側の自浄作用というのがないのかなと。このままじゃいけないというところで、やむを得ず提訴に踏み切った」

 6月13日に行われた初弁論で、奈良市側は「児童から花マルをつけてほしいとせがまれやむを得ず記載した」「You can do itは励ましのつもりで書いた」などとして訴えを退けるよう求めました。

 奈良市側の主張に対して児童は心を痛めています。

 (女子児童)「(花マルを書いてほしいとは)言っていないし、私はほんまに嫌だったから書いたのに。つらい。花マルをしてきた先生のことについて認めてほしいですね。私は言っていないけど花マルを自分で考えてつけたと」

 終了後、児童の代理人弁護士は…

 (原告代理人 松田真紀弁護士)「法に基づくガイドラインをちゃんと理解しているのか、そこが非常に疑問に思う内容だなと。ちょっと残念かなと思います」

 女子児童の両親は「不信や絶望を感じた。娘の小学校生活が安心したものになることを願いたい」とコメント。

 奈良市は「係争中の案件につきコメントできない」としています。

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