父親と共謀し、駒ヶ根市の総合建設業「ヤマウラ」の子会社から、現金6億5,000万円余りを横領した罪に問われている男が、裁判で起訴内容を認めました。
検察側は動機は借金の返済だったと指摘したうえで、「逮捕されるまで大事(おおごと)とは思っていなかった」とする男の供述を明らかにしました。


業務上横領の罪に問われているのは、辰野町の会社役員・村田俊樹(むらた・としき)被告・35歳です。

起訴状などによりますと、俊樹被告は、「ヤマウラ」の経理チームのマネージャーを務めていた父・浩幸(ひろゆき)被告と共謀し、「ヤマウラ」の子会社名義の銀行口座から自身が社長を務める会社に6億5,000万円余りを振り込み、横領したとされます。

13日に地裁伊那支部で開かれた2回目の裁判で、俊樹被告は起訴内容を認めました。

検察は冒頭陳述で、俊樹被告は以前勤めていた会社での営業実績を上げるため、取引先に対し独断で値引きなどを行っていたと指摘。

その不足分を補填するために借金をし、金銭的に困窮していたことが動機に繋がったなどと述べました。

その後、警察や検察による取り調べでの供述も明かされ、「父親に頼んで金を工面してもらった」、「不正の金と分かっていたが、返せばいいと軽く考えていた」、「逮捕されるまで大事(おおごと)とは思っていなかった」などと答えていたことがわかりました。

総額26億円余に及ぶとされる一連の横領事件。

俊樹被告は起訴されている分以外にも、現金1億8,300万円を同様に横領した罪で、6月4日に追起訴されていて、検察は今後、更に起訴をする方針です。

今後の裁判は、追起訴分も含めて審理が進められる見通しで、弁護側は情状酌量を求めていくとしています。

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