自民党の派閥の裏金事件への対応をめぐり、岸田総理と麻生副総裁の溝が深まりを見せています。麻生氏の後ろ盾を失えば総裁選での再選も厳しくなるだけに、岸田総理は難しい対応を迫られています。

午後、G7=主要7か国の首脳会議に出席するため、イタリアに向け出発した岸田総理。

国会では連日、派閥の裏金事件をめぐり、野党の追及が続くなか、岸田総理が外遊前に模索していたのは麻生副総裁との関係修復です。

政治資金規正法の改正をめぐり、岸田総理が公明党に譲歩し、パーティー券購入者の公開基準を「5万円超」に引き下げたことなどに麻生氏は不満を募らせているのです。

自民党 麻生太郎 副総裁(6月8日)
「政治資金の透明性を図ることは当然ですが、同時に我々は将来、禍根を残すことになるような改革というものは断固避けなければならない」

“若手議員の政治活動が困難になる”などと、麻生氏は岸田総理に何度も訴えてきましたが、岸田総理は公明党や日本維新の会の主張に譲歩を繰り返しました。

派閥の解散が相次ぐなか、今も55人を擁する派閥を率いる麻生副総裁。今年9月の総裁選は麻生氏の動向がカギを握るとみられていますが、ある政府関係者は…

政府関係者
「どれだけこじれても、総裁選では麻生さんが味方になるという確信を岸田総理はもっているようだ」

ただ、今回ばかりは麻生氏が「本気で怒っている」と多くの関係者は指摘します。

自民党幹部
「麻生さんは本当に怒っている。これは総理にも伝わっている」

複数の関係者によりますと、岸田総理は麻生氏との関係を修復しようと外遊前の会食を呼びかけましたが、実現には至りませんでした。

地方組織などからも公然と退陣を求める声が上がるなど、求心力が低下している岸田総理。今、政権基盤が揺らいでいます。

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