警察情報を漏らした疑いで逮捕・送検された鹿児島県警の前の生活安全部長が、「本部長が不祥事を隠蔽しようとした」と主張していることを受け、県警の野川明輝本部長は11日の県議会で、「隠蔽の指示はしてない」と改めて否定しました。

(鹿児島県警 野川明輝本部長)「本来県民の皆様の安全安心を守るべき警察が、多大なるご迷惑とご心配をおかけし、誠に申し訳ない」

野川本部長は11日、警察関係者が相次いで逮捕されたことについて、県民へ謝罪しました。

この事件は、県警の前の生活安全部長だった元警視正・本田尚志容疑者が、現職当時に入手した情報を第三者に郵送したとして逮捕・送検されたものです。

本田容疑者は勾留理由の開示を求める法廷で、「野川本部長が現職警察官の盗撮事案について隠蔽しようとしたため、記者に情報を送った」と発言しましたが、野川本部長は11日、改めて否定しました。

(鹿児島県警 野川明輝本部長)「私が隠蔽を意図して、指示したことは一切ありません」

そのうえで、本田容疑者が「本部長に盗撮事案に関して指揮伺いをした際、『泳がせよう』などと隠蔽をしようとした」と主張していることについても「本田容疑者が指揮伺いに来た事実はない」と否定しました。

県警では今年4月以降に、現職警察官らが情報漏えい疑いで2人、盗撮、わいせつ疑いで2人のあわせて4人が逮捕されています。

不祥事が相次ぐ県警に、議員からは厳しい声が上がりました。

(鶴薗真佐彦議員)「言語道断。県警トップのワンツースリーと言っても過言出ない人たち」

(岩重あや議員)「監察そのものが独立性をもって警察の内部はこれではいけないと、しっかりと調べてほしい」

また、本田容疑者が記者に情報を送った行為を「内部告発」ではなく「情報漏えいの疑い」として逮捕した理由について問われると。

(湯浅慎太郎議員)「情報漏えいという罪と、あるいは公益通報・内部告発、この言葉の使い分けの中で、情報漏えいという罪で逮捕されたことの根拠は」

(鹿児島県警 牛垣誠首席監察官)「女性の個人名等が印字された書面を第三者に郵送し、職務上知り得た秘密をその職を退いたのちに漏らしたものということで、国家公務員法の百条第一項の規定に反するもの」

(湯浅慎太郎議員)「今の罪について被害届は出されていますか。その(被害)女性から」

(鹿児島県警 牛垣誠首席監察官)「個人の利益を守る法律ではないので、こういった公職にある者の公正な職務ということなので、(女性から)被害届は受理してない」

委員会の質疑はおよそ4時間半で終わりました。

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