松坂屋名古屋店の本館屋上のロゴ看板。老朽化で撤去されることになりました。特別に屋上での取材がゆるされました。

(大石邦彦解説委員)
「70年以上にわたって名古屋の街を見守ってきた、松坂屋名古屋店本館の看板の撤去工事がいよいよ始まります」

1953年に設置された松坂屋のロゴ看板。当時は珍しく電飾つき、光る看板でした。

(街の人)
「生まれた時からある」
「昔ながらの文字だよね」
「栄のランドマークですよね」

5月に撮影した看板は、塗装が剥がれ老朽化が一目でわかるほどに。

(大石)
「きょうは特別に近くで見せてもらえる?」

(松坂屋名古屋店 業務推進部 櫻井祐司部長)
「安全上の問題に十分配慮した上で、近くで見ていただこうと思っています」

特別に許可された“撤去作業”の撮影 

10日から始まった撤去作業。

特別に、CBCテレビだけが屋上に上がっての撮影を許されました。

(大石)
「おお!グレーのシートがはられています。中をよく見ると足場が組まれていて、看板は近くにきても見ることができないんですね」

午前8時半に工事開始。看板全てをはずすのに10日から3日程かかり、骨組みも含めて全て撤去するのに10日程はかかるといいます。

安全上、作業中の屋上での撮影は工事責任者の方にお願いすることに。

看板に電動のこぎりで、細かく切れ目を入れていきます。

取材班は、松坂屋の向かい側のビルの屋上から作業を見ることに。

(大石)
「松坂屋のマークの“円”の部分の一部が、切断されて運ばれてきました」

「どのデパートと比べても松坂屋のロゴは一番立派」

一部をとり外した所で、近づいて撮影する許可がおりました!

(大石)
「これはどこの部分?」

(松坂屋名古屋店 櫻井部長)
「ロゴの右側の部分」

(大石)
「一部分でもかなり大きいのがわかりますね」

ロゴと社名1文字のサイズは、約6メートル。70年以上にわたって「顔」となっていた看板との永遠の別れです…

さらに取材班が10日に訪ねた男性は、1974年に松坂屋に入社。生き字引と言われている「Jフロントリテイリング史料館」の菊池満雄フェロー。74歳です。

(菊池満雄フェロー)
「どのデパートと比べても松坂屋のロゴは一番立派。自分たちは、この会社に勤めているんだという気持ちを高ぶらせてくれる存在」

屋上までの高さは約35メートル。当時、栄の中心地でこの松坂屋より高い建物はなく看板はまさにランドマークとして輝いてきました。

時代とともに栄一帯の高層化は進み、当初の役割も十分に果たしたロゴ看板。今後は、ここに新たに看板を設置することはなく、売り場スペースの充実をより一層はかっていくと言います。

(大石)
「この看板はどうする?」

(松坂屋名古屋店 櫻井部長)
「塗料が鉄の部分か何かしらのカタチで再利用することを考えたい」

創業413年。松坂屋の新たな1ページ。時代にあわせて変わっていく、老舗の決断を象徴する出来事です。

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