「ゴ・エ・ミヨ」という本をご存じでしょうか。
フランス発祥の独自の審査基準を持つ世界的レストランガイド、いわゆるミシュランガイドのようなものなんですが、こちらに今年、長野県内の3つの飲食店が掲載されました。
どの店も信州ならではのこだわりが評価されたようです。


「ゴ・エ・ミヨ」に掲載されのは、長野市県町(あがたまち)にある「すし崇(すしたか)」。

海なし県の中からなんと、すし店が選ばれました。

目の前で握ってくれるのは、久保崇嘉大将。

こだわりはたくさんありますが、まず特徴的なのがこの赤みがかったシャリです。

久保崇嘉大将:
「お米が東御市の八重原地区でとれるコシヒカリ『謙太郎米』と呼ばれているお米と、うちが頼んで作ってもらっている『いのちの壱』というお米のブレンドです。そのお米に赤酢を使っています。そこに自然塩と山塩をブレンドしたものでシャリを作っていますね」


握ってくれたのが、珍しい鮎のすし。

久保崇嘉大将:
「鮎をおから漬けにしています。まわりは信州産に大豆で作っているお豆腐から取れたおからです。この鮎自体も天龍鮎といいます」

鮮度のいいネタをそのまま握るのが今の主流ですが、これは江戸前の伝統的な手法なんだそうです。

続いては、トロの漬け。

醤油は信州産の味噌からできた、うま味の濃いものを使います。

すし崇では、ネタにあった調理法で漬けたり、締めたりするほか、県産食材も効果的に使い、ここでしか味わえないすしを完成させているのです。


久保崇嘉大将:
「そもそも海なし県のお寿司屋さんなんて、うちだけなんですよ選ばれているのが。それはこういった調味料ですとか、地域のもの山菜やキノコとかそういったものを使っているから、そういったところに、ゴ・エ・ミヨさんは評価をしてくれたということですね」

松本市のフレンチレストラン「ヒカリヤ二シ」もゴ・エ・ミヨに掲載されました。


もともとあった建物をリノベーションしたという店内は、クラシカルでありながらどこか落ち着ける雰囲気も漂います。

まずはイチオシの一皿を作ってもらいました。

真ん中に載せるのはキャビア!


田邉真宏シェフ:
「季節のものしかここには載っていないので季節のものを混ぜて食べてもらうという。これがお肉のソースとフキが入っているんですけど」

一皿になんと野菜だけで30種類以上も載っているんです。

田邉真宏シェフ:
「アルティザンといって職人たちという(意味の)料理があるんです。地元の生産者さんというのは、畑で作っている職人さん。やっぱり敬意をはらいたいんですよね」

メインの料理は信州牛を炭火で丁寧に焼き上げていきます。

仕上げはクロモジの枝で香りづけ。

添えるのは、太いアスパラガスです。

シェフによりますと、肉もアスパラもどちらもメインとのこと!


田邉真宏シェフ:
「こちらカイノミという(フィレ肉で希少部位)」

さらにワインのペアリングも信州のもので揃えるこだわりが!

田邉真宏シェフ:
「今回ゴ・エ・ミヨ取らせて頂いたので、ちょっとでも信州のものを次の世代に託せればいいかな、なんて思ってます」

さらにゴ・エ・ミヨに掲載された隠れ家的レストランが県内にあります。


茅野市にある隠れ家的なレストラン「カエンネ」。

イタリアンをベースにして、八ヶ岳の食材を中心に提供しています。

2022年から3年連続でゴ・エ・ミヨに掲載されている名店です。

調理のベースになるというのが、こちらの「薪」!

炭火での調理とどう違いがあるのでしょうか。


臼井憲幸シェフ:
「この白い煙見えます?これって木の持つ、ココ!木の持つ水分が水蒸気として上がっているんですよ、白い湯気が。だけど直火なので、焼き目はつくけど蒸される」


薪を使うのはヨーロッパ発祥の伝統的な調理法。

イタリアで修業していた臼井憲幸シェフは、八ヶ岳の土地で育った食材の力を最大限生かして引き出すために薪を選んだといいます。

そして自家製のハムは、切りたてをパイの上に載せて。

パイ生地は地元の酒蔵の麹を少し混ぜて作っているといいます。

パスタは目の前で打つところから。

臼井憲幸シェフ:
「パスタの小麦も卵も、このあたりのものを使っている」


地元でとれたイノシシ肉の煮込みを合わせた一品です。

ゴ・エ・ミヨには、確かに信州の素材にこだわり、本当においしさを極める料理人たちのレストランが載っていました。

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