家計に厳しい電気代とガス代の値上がり。

まずは改めてどれくらいの値上げになるかというと、今月使用分の電気代は東京電力管内では標準家庭で前の月と比べて392円値上がりした8930円と過去最高水準に近い状態。

さらに都市ガスは東京ガス管内では121円値上がりして5977円となります。

政府の補助金が終了した事が今回の値上がりの理由です。

再生可能エネルギー普及のために上乗せされる賦課金も含めると、今年度の電気代、ガス代は昨年度に比べて標準家庭でおよそ3万円増える事となります。

一般家庭や企業でも頭の痛い電気・ガス代の値上がりですが、深刻な状態に陥っているところもあります。

それが高齢者施設です。

山梨県老人保健施設協議会 福田六花会長:
「電気も昼間もずっと消しています」


およそ90人の高齢者が暮らす山梨県富士河口湖町の介護老人保健施設「はまなす」

電気代・ガス代の高騰に頭を悩ませています。

山梨県老人保健施設協議会 福田六花会長

山梨県老人保健施設協議会 福田六花会長:
「何とか国の補助金があったのでここまでは。それが今度なくなるので、どうしたものか…」

こちらは施設の電気代の推移です。

2020年度は541万円でしたが、エネルギー価格の高騰で2022年度は7割増しの927万円に。

昨年度、電力会社を変更して786万円まで抑えましたが、今年度は1000万円を超えるおそれもあるという事です。

節電が求められますが、高齢者が365日暮らしている施設ならではの難しさがあります。

夏の暑さと感染症対策です。

山梨県老人保健施設協議会 福田六花会長:
「冷房はしっかりかけていかないといけない。高齢者は暑さに弱いので脱水、熱中症になりますので。コロナに関しても高齢者の場合は40~50人に1人は感染すると重症化する。それは生死にかかわる事もあるので」

暑さ対策で夜間も居住する部屋ごとにエアコンを稼働させる一方で、換気のため窓を開ける対策も行っています。

山梨県老人保健施設協議会 福田六花会長:
「部屋があれば2面窓を開けて空気が流れているという状態を作らなければならないので、そうすると冷房の効率も落ちますよね。今年の夏すごく暑くなるといわれていますので、本当に心配です」



また入浴などで使うガス代も昨年度は2020年度と比べて4割増しの1000万円を超え
ています。

山梨県老人保健施設協議会 福田六花会長:
「週2回しか入れないお風呂を減らすわけにいかない」
「デイサービス、通所の方も1日に40名くらいいらっしゃる。そういう方はお風呂に入るのがデイサービスに来る一番の目的だったりするので、そこもしっかりやらないといけない」

こうした負担増に対して、介護施設にできる事は限られているのが現状です。

山梨県老人保健施設協議会 福田六花会長:
「こういう介護施設って介護保険で運営していますので、介護保険って3年に1回改訂されるんですね。今年の春、介護報酬改訂になりまして結果的には1.59%のアップで、全然物価上昇に追いついていないですよ」
「これは企業努力じゃなくて国が決めている中でやるしかない」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。