原発事故による帰還困難区域が今も残る福島県双葉町で、新たに建設された町営住宅への住民の入居が始まりました。

双葉町が「特定復興再生拠点区域」内のJR双葉駅西側に整備した「駅西住宅」。帰還や移住の拠点として、6月1日から住民の入居が始まりました。

この住宅に、6日に入居したのが、高野衛雄(もりお)さん(86)、美津恵さん(81)夫婦です。2人は震災、原発事故で、およそ70年間暮らした地元・双葉町から避難を余儀なくされ、いわき市などで避難生活を送ってきました。

高野衛雄さん「新しい家は良い、やっぱり。きょうは日が良いから引っ越しをした、大安だから」

午前10時過ぎ。家具などを積んだトラックが到着し、新居の中へと次々に運ばれていきます。荷ほどきなど「これからが大変」と話す高野さん。それでも、13年ぶりに帰ってきたふるさとでの新たな生活に期待を膨らませていました。

高野衛雄さん「実感なんか湧かない。いつまでかかるか分からない、片付けが」

妻・美津江さん「昔のことを忘れて、新しい生活を一生懸命頑張っていく。希望がある」

町によりますと、今回47戸が建設された駅西住宅には、すでに21世帯25人の入居が決まっているということです。

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