広島県内のコメ処の一つ、北広島町の大朝小学校で先日、田植えがありました。子どもたちの目標は、作ったコメをコンテストに出品して1番を取ることですが、早くも試練に立ち向かうことになったようです。
標高およそ400メートル島根県境にある北広島町大朝地区です。
農家
「いよいよ田植えです。一生懸命みんなで頑張って協力して植えましょう」
田植えをしたのは大朝小学校の5年生7人。先生役の農家に促されて田んぼに入ります。
ほとんどの子どもにとって初めての田植えですが、高い目標があります。
児童
-なんでこのコメを作りたいと思ったんですか?
「グランプリで1位とりたい」
「グランプリで1位をとりたかったから」
先生役の農家・水口さんが勤務先の農場で作ったコメが、昨年度、コンテストで日本一の最優秀賞を取ったからです。ところが、田植えの直前、大変なことが起きていました。苗が枯れていたのです。
実は、イネの種と土は水口さんたちが用意してくれました。種は、コンテストで日本一をとったコメと同じ「いのちの壱」という品種です。
まいた種の半分はシートが風でめくれて鳥に食べられてしまい、残る半分は水やりに失敗し、ほとんど枯れていました。
連絡を受けた水口さんたちが急きょ、不足分の苗を用意してくれました。先生は、子どもたちに農家の厚意で田植えができると話しました。
武本先生
「もともとは自分たちが作らにゃいけんかった苗だね、この苗しっかり植えんと、お米グランプリには」
児童
「出せません」
水口さんも暖かい目で見てくれました。
水口一真さん
「失敗することは絶対、何をやってもあると思うので、この失敗を次の成功につなげれるように、みんなで頑張っていきましょう」
田んぼには、あらかじめ農家がタテ・ヨコの線を引いてくれていて、子どもたちはその交わったところに苗を植えていきます。植え始めて15分を過ぎると、すっかりコツをつかんだようです。
男子
「ヘイ、ゴーゴーゴーゴー、あとちょっとだ」
作業開始から1時間…。広さ13アールの田んぼの半分まで植えて、残りは農家に頼むことになりました。面倒な田んぼの水の管理には、地元JAが水位をセンサーで感知して自動的に水門を開け閉めする機械を設置してくれました。
農家の厚意でコメ作りを続けることができた子どもたち…。コンテストで1位をとる目標はどうなったのでしょうか?
児童全員
-ちょっと自信がなくなった感じ?それともよし頑張るぞって?
「よし頑張るぞ!絶対、賞を取るよ!賞取るぞ!」
順調にいけば9月終わりごろ収穫の予定です。
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