値上げの波が鉄道業界にも迫っています。JR東日本は、4日の会見で、早ければ今年の秋にも値上げの申請を行う考えを示しました。

■JR東日本 秋にも値上げ申請へ 来年度以降に実施見通し

JR東日本 喜勢陽一社長
「運賃値上げが可能になる、可能であるということであれば、秋口には申請して」

JR東日本の喜勢社長は、国土交通省が来月公表する予定の鉄道の設備維持などにかかる基準コストを踏まえ、値上げの余地があれば、今年の秋にも値上げの申請を行う考えを示しました。

喜勢社長は“消費税の転嫁をした以外は、運賃をずっと据え置いてきた”とした上で…

JR東日本・喜勢陽一社長
「鉄道事業をサステナブル(持続的)に、しかも安全をしっかり守って運用していくということで、運賃値上げをお願いすることになろうかと思います」

JR東日本は、去年3月にも一部区間で運賃を10円値上げしていますが、このときの目的は、ホームドアの設置など、駅のバリアフリー化を進めるためでした。

値上げの動きは、各社に広がっています。

JR九州は先月、燃料高騰や人材確保のため運賃の値上げを検討していると表明。

JR九州・古宮洋二社長
「電気代や燃料代なども上がっている、社員の人件費も考えていかないといけない」

赤字が続くJR北海道は、来年4月から運賃を約8%値上げすると発表しています。

JR東日本の利用者
「基本的には(通勤で)毎日使うものですし、(値上げしたら)累積して大きくなっていってしまう」
「いくら(運賃が)上がるかにもよりますけど、10円、20円なら仕方ないかな」

鉄道にも押し寄せる値上げの波。JR東日本によると、仮に値上げの許可が出た場合でもシステムの改修があるため、実際の値上げは来年度以降になる見通しだということです。

■九州新幹線 初の価格変動制

井上貴博キャスター:
JR九州が新しい取り組みを発表しています。

来月、本格的に導入するのは新幹線で初めてとなる“価格変動制”です。一部区間に限りますが、過去の乗車率などで価格を決めるという取り組みが導入されます。

過去のデータから、空いている時期は安くなり、混んでいる時期は高くなるというものです。

そして、過去の乗車率などだけではなく、現在の予約状況でもこの価格を変動させるということで、過去に空いていたとしても、今の予約状況がある程度あれば高くなるということです。

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