生態系を脅かす可能性が指摘される特定外来生物の生息が山梨県内の広い範囲で確認されています。
中でもアレチウリという植物は農作物へ被害が広がるおそれもあり、専門家は自治体や地域で駆除活動を行うことが大切だと訴えています。

特定外来生物の黄色い花が咲いた河川敷 山梨・笛吹市春日居町 

雨宮恭太記者:
「笛吹川沿いに咲きほこるこちらの黄色い花、実は生態系に影響を及ぼすものです」

北米原産のオオキンケイギク

この時期に笛吹川や釜無川の河川敷を黄色に染める花、北米原産のオオキンケイギクです。



繁殖力が強く、ほかの野草の生育場所を奪うことから特定外来生物に指定されています。

富士山科学研究所 安田泰輔主幹研究員

外来生物を10年以上研究 富士山科学研究所 安田泰輔主幹研究員:
「草が切られても根が強靭なので、どんどん復活して葉を出して花をつけてしまう」

特定外来生物は栽培や持ち運びは法律で原則禁止され、違反すると3年以下の懲役か300万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

富士山科学研究所 安田泰輔主幹研究員:
「一度侵入して定着し、そこに居続けてしまうと、ほかの生物の生育を抑制してしまうので、根をちゃんと駆除していただくのが重要」


オオキンケイギクの駆除は進んでいるとされ、専門家は県内で今、最も注意が必要な植物があるといいます。



富士山科学研究所 安田泰輔主幹研究員:
「これです」

ハート形をした葉っぱが特徴 特定外来生物 アレチウリ


その植物はアレチウリ。

ハートのような形をした葉っぱが特徴的の特定外来生物です。
枯れてしまうまでの期間が1年以内の一年草ですが・・・

富士山科学研究所 安田泰輔主幹研究員:
「一個体で数百から数千の種子を作る。その種子が動物や水流によって広域に広がりやすい」


こちらは2021年に富士山科学研究所が調べたアレチウリの生息地です。

県内すべての市町村で確認され、現在さらに生息地が広がっている可能性があるということです。


アレチウリは成長が早く長さ10mにも及ぶツルを延ばして植物に絡みつき、葉っぱで覆って光合成を阻害します。


他の県ではアレチウリの繁殖による農作物への被害が確認されています。

ヨシの群落を覆うアレチウリ(写真の上部)

富士山科学研究所 安田泰輔主幹研究員:
「大豆畑に進入して収穫不能になるくらい大繁茂してしいる。トウモロコシ畑に進入して収量が半減している事例が報告されている。(危険度が)非常に高い位置で早急に対処が必要な植物の一つ」

ハート形の葉が特徴のアレチウリは判別が難しく駆除が進んでいないと考えられ、専門家は地域を巻き込んだ早期の対策を求めています。

富士山科学研究所 安田泰輔主幹研究員:
「身近に危険な植物、生物がいるということを理解して、周りの状況を観察し繁茂し始める兆候があったら、自治体や社会の中で駆除活動をやっていくことが根本的に必要」

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