政治資金規正法の改正をめぐり、自民党は与野党で一旦合意していたきょうの採決を見送り、3度目の修正案を提出しました。一連の迷走ぶりに党内から「ガバナンスが崩壊している」と呆れ声が上がっています。

けさの閣議。閣僚らが「かりゆし」を着用してのぞみました。談笑する岸田総理ですが、国会では野党が怒っていました。

立憲民主党 安住淳 国対委員長
「はっきりいってこれ、ざるの合意だよ。危ない」

何があったのでしょうか。

政治資金規正法の改正をめぐり、先週金曜日、党首会談を開き、合意文書を交わした自民党と日本維新の会。ところが、きのう…

日本維新の会 青柳仁士 衆院議員
「党首間の約束を自民党が反故するなら、我々はこの法案に賛成する理由なんて全くない」

政党から議員個人に支給される政策活動費について、将来的に「全て公開すべき」とする維新に対し、自民党が提出した改正案は「50万円を超えるものに限る」と条件が付けられていたため維新が猛反発。

与野党はきょう、改正案について、岸田総理出席のもと審議をおこない、採決をおこなうことで合意していましたが、自民党が法案を再修正することになったことから急きょ採決は見送られました。この迷走ぶりに党内から呆れ声も…

自民党関係者
「党のガバナンス(統治)が崩壊している。党の意思決定機関を無視してトップ同士で決めるからこうなった」

自民党幹部
「総理入りが決まった委員会が流会になるなんて聞いたことないよ。もうぐちゃぐちゃだね」

自民党は法案を再修正したものの、政策活動費をめぐり「10年後に領収書を公開する」としていることに疑問の声が相次いでいます。

共産党 小池晃 書記局長
「10年に一体どういう意味があるのか。大体、今の議論している政党幹部が10年後、国会にいるのかどうかすらわからない。全くふざけた中身だ」

立憲・共産などの野党は、10年後公開された領収書も支出先などが「黒塗り」で出される可能性があることから、「全く政治改革の名に値しない」と批判しています。

改正案は、あす特別委員会で採決され、あさって衆議院を通過する見通しとなりましたが、採決直前での二転三転劇に岸田総理の求心力は低下する一方です。

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