おととし2月、愛知県一宮市の住宅で、当時0歳から5歳の娘3人を殺害した罪に問われている母親の裁判で、検察側は懲役25年を求刑しました。

起訴状などによりますと愛知県一宮市の無職、遠矢姫華(とおや ひめか)被告(29)はおととし2月、自宅で長女の姫茉梨(ひまり)ちゃん(当時5)と、次女の菜乃華(なのか)ちゃん(当時3)、三女の咲桜(さくら)ちゃん(当時9か月)の首を絞めて殺害した罪に問われています。

これまでの裁判で、「子どもたちを育てる中で、私は母親としてふさわしいのかずっと悩んでいた。子どもたちを道連れに自殺しようと思った」との供述が明かされたほか、遠矢被告自身は事件当時についてこう話しました。

「子どもたちにやってあげたいことがあるのに、うまくできなかった」
「『死ね』『消えろ』と声が聞こえて、死んだらいいんだって思いました」
「(子どもを殺害した時は)現実感がなくて、斜め後ろから見ているような感覚だった」

6月4日、名古屋地方裁判所で開かれた裁判で、検察側は、「周囲に相談したり、通院するなどの手段をとらず、無理心中を一方的に決意した。3人の幼い子どもの命を奪った結果は重大」と指摘して懲役25年を求刑しました。

一方、弁護側は、「心神喪失の状態で責任能力や殺意はなく、有罪とすることはできない」と、改めて無罪を主張しました。

最後に裁判長から「話しておきたいことはありますか?」と問われた遠矢被告は…

(遠矢姫華被告)
「重大なことをしてしまって、申し訳ありません」

小さな声でこう答え、裁判は結審しました。

判決は、6月11日に言い渡されます。

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