人気漫画「セクシー田中さん」をドラマ化した際の脚本をめぐるトラブルを受け行われた調査。漫画家やイラストレーターの4人に1人が作品の権利について厳しい条件で契約していることが分かりました。

漫画家 やくみつるさん
「不利益な立場で仕事を続けざるをえない。常に不安を抱えているという状況」

漫画家のやくみつるさんらフリーランスの人たちが作った団体は、今年4月から5月にかけて漫画家やイラストレーター570人を対象に出版社やテレビ局との契約の方法などを調査しました。

その結果、自分の作品を意に反して変えられないなどとする権利=「著作者人格権」を「すべて行使しない」と回答した人が23.3%となりました。さらに、出版社などと契約書を結んでいるかについては「電話や口頭などの口約束」と回答した人が17.1%となりました。

漫画家 やくみつるさん
「特段、契約書というような形もなくて、口約束、あるいは、それに毛の生えた程度の契約の仕方でやっていて、これは通用しない」

人気漫画『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子さんは、日本テレビでドラマ化された際に脚本をめぐるトラブルがあったことを明かしたあと、今年1月に亡くなっています。

芦原さんはブログに「ドラマ化するなら『必ず漫画に忠実に』」などと条件があったとつづっていました。しかし、公表された日本テレビの調査報告書によると、制作側は、この条件について明確に示された認識はなく、出版元の小学館との間に「認識の齟齬がある」としました。

記者会見でフリーランスの団体は「口約束やメールではなく、契約書面があることで全ての関係者にトラブルがあった場合に機能する」と指摘しています。

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