2022年、広島県福山市で軽乗用車にスポーツカーを衝突させ、当時小学4年の女の子を死亡させるなどしたとして過失運転致死傷の罪に問われている医師の男の裁判で、広島地裁福山支部は、男に禁錮3年・執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。

起訴状などによりますと、男は2022年6月、福山市霞町1丁目の最高速度50キロの道路を、スポーツカーで時速およそ120キロで走行し、交差点で対向車線から右折していた軽乗用車と衝突。軽乗用車に乗っていた女の子(9)を事故の衝撃で車の外に投げ出させて死亡させたほか、軽乗用車を運転していた女の子の祖父と、歩道上にいた男性にもけがをさせたとされています。

広島地裁福山支部で5月21日に開かれた初公判で、男は起訴内容を認めていました。

この裁判で検察側は、大幅な速度超過による「男の過失の度は大きい」と指摘。「女の子は、事故の当時も楽しみにしていたお祭りに行くため、祖父の運転する軽乗用車に同乗していた。突然命を奪われ、その苦痛や無念さは察するに余りある」などとし、禁錮3年を求刑していました。

一方、弁護側は「双方とも青信号で、右折車両は直進車両を待たなければならないのだから、被害者側にも過失が少なからずあり、亡くなった女の子は後部座席でシートベルトはしていなかった」と指摘。加えて、運転免許は取り消し処分になり、再犯の可能性もないなどとして、執行猶予付きの判決を求めていました。

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