今回のヒーローは、ベガルタ仙台のゴールマウスに立ちはだかる守護神・林彰洋選手。今年Jリーグ通算300試合出場を果たしたベテランゴールキーパーは開幕からここまで全試合に出場し、ピッチ上のリーダーとして守備陣を牽引。3月には4試合連続無失点を達成するなど、チームの堅守に不可欠な存在となっています。今シーズンチームが大きく生まれ変わる中、序盤の戦いから見えたもの、そして最年長として臨む勝負の1年への思いに迫ります。
コミュニケーションは去年よりスムーズ
ベガルタ仙台 林彰洋選手:
「ベガルタ移籍2年目、色んな幅が去年以上に今年は持てています。プレーの幅もそうですし、考えの幅とかも。過去の経験を経て、2年目やりやすさが出てきました」
海外クラブや日本代表でのプレー経験を持ち、長らくJ1の舞台で戦ってきた林選手。ベガルタ移籍2年目の今シーズンは、その豊富な経験値と的確なコーチングで守備陣を統率しリーグ屈指の堅守を構築。平均失点は1点以下と抜群の安定感を見せています。
林彰洋選手:
「(Q 守備への手応えは)ゴール前の守備のことは、森山監督を筆頭にこのチームのコンセプトとしてやってきました。去年から、真ん中のセンターバック(菅田真啓選手、小出悠太選手)に関しては同じメンバーでやっているので、特徴も把握していますし、コミュニケーションも去年以上にスムーズに取れていると思います。言って動くじゃ遅かったりするじゃないですか試合の時って、こういう時はこうだよねとオートマティックに動けるようなシチュエーションは、少なからず去年より多いと思います」
多くの試合で複数失点を喫していた昨シーズンから立て直すため、林選手が積極的に行ってきたのが、選手とのコミュニケーション。抱えている問題点を共通認識することで、守備の改善につなげてきました。
林彰洋選手:
「チームが去年出来なかったのは、アグレッシブに戦うことでした。相手と戦う時、戦術がこうだからいけないよとか攻撃の人数が相手3人でこっちが守備3人だと『4人目いないから足りない』みたいなそこを頑張って4人目になろうとする選手もいないし、3人も弱腰になっていました。そこの部分は去年から学ばないといけないと思って、それが出来なかったのが去年だったと思うし、それが出来ている試合は今年強いなと感じています」
選手それぞれの意識改革とともに、チームで掲げる走り勝つサッカーが浸透しつつある今のベガルタ。その完成度を高めることこそが、J2を戦い抜くキーファクターになると林選手は考えています。
林彰洋選手:
「僕らは受けて立つ側ではなくて、向かっていく側なので、うわべの戦術だけで相手をこねくり回すのは不向きだと思っている。走り勝つだったり、球際に勝つだったりそういうのが出てきて戦術だと思うんですよね。どうしても戦術や足元の技術が先になると、上手くいかなかった時にうわべに感じるというか。上にいくチームは思い切りやっているし、もっとアグレッシブにやっているのでそこの部分は全力を出し続ける上で、すごく必要になってくると思います」
SNSで発信する意味とは
試合の後には、結果にかかわらずSNSを通じて自身の思いを発信している林選手。それは自らに発破をかけるだけでなく、ともに戦うサポーターへの決意の現れでもあります。
林彰洋選手:
「もっと何ができたかと考えたときに後悔はないかと。選手も納得しない状況、内容、結果をサポーターが納得するわけないですよね。サポーターの方は結果が絶対的にほしいと思うんですけど、結果が残せなかった時にサポーターが『今の戦いしてたら、絶対勝てるようになるよ』と思えるくらいの内容やチャレンジができたのか、『きょうもミスあったけどこのミスなくせば絶対いける』と思える状況だったか。すごい緩いプレーしたなとか、緩い戦い方の前半だったなというのはしたくないと思っていて、そういう試合をしなければこのチームは必然的に上にいけると思っています」
オフの過ごし方が変わったことで…
仙台生活2年目を迎え、オフの過ごし方も心機一転。おうち時間が増えたことで、自分もびっくりのある変化が…。
林彰洋選手:
「今まではかなりアウトドアで、オフシーズンにはいきなり海外に行って2週間旅に出るとかしていたのですが、今年はちょっと家にいてみようかなと思ってオフは過ごしています。家にいることが多くなって、今までのプロ生活でしたことないほど入念にストレッチするようになりまして、過去イチ体が柔らかくなっているんじゃないかと思います。
サッカーのことを子どもと話したり。子どもがサッカーをやり始めてキックの蹴り方とかを話せるようになった家族がいることによるストレス発散ができるようになっているのかなと思う」
長く活躍できる秘訣とは
プロ16年目の今年は、ここまで全試合に出場と心身ともに充実のシーズンを送っている林選手。熾烈なJリーグで長く活躍し続けられる秘訣は…。
林彰洋選手:
「“自分はもっとやれる”と思いながら常に成長を見据えた行動をするのが、一番大事だと思っていて、過去の功績にしがみついているとプレーは劣化していくのかなと。常にバージョンアップさせるという意思は持ちながらやるようにしています。プロだからお金をもらっているから、仕事になりすぎることもありますが、実際は自分が好きなことをやっているというのが根本にはあるので、そこで負けたくない。負けたくないからこそ努力するし時間をかけるので、そこの根柢はぶらすこなくやっています」
林選手らベテランと若手が融合し、粘り強さが際立つベガルタ。チームが誇る唯一無二の守護神は、最後まで結果にこだわり戦います。
ベガルタ仙台 林彰洋選手:
「今年上位に入って、J1に上がる順位をもぎとることが目標なので、苦しいタイミングや苦しい時期を乗り越えて勝ち点をもぎとっていきたい」
【tbcテレビ ヒーローインタビューより】
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