客による理不尽なクレームや暴力などの迷惑行為をさす、カスタマーハラスメント、「カスハラ」。

東京では防止するための条例化の動きも出ていますが、今回「カスハラ」を受けたというタクシー運転手に話を聞きました。

(乗客)「むかつく?けんかする?殴る?けんか買おうか、俺も殴りてえし」

名古屋市に本社を置く、つばめタクシー。そのドライブレコーダーが捉えていました。

(乗客)「老害が。学もねえ、知識もねえ、車転がすしか知識ねえんだろ。で、その車転がす知識もねえんだ」

運転手に暴言を吐きつづける男性客。

一方、かなり酔っている様子の乗客も。

(運転手)「料金は1670円です」
(乗客)「これ俺が払うやつ?」

お札を運転手に投げつけ…なかなかタクシーを降りようとしません。

そして、助手席を蹴ります。

(運転手)「お客さんがタクシーで暴れて…」

運転手はたまらず警察に通報しますが、乗客は車の外までついてきて、最後は運転手に「ツバ」を吐きかける暴挙に…

女性運転手も被害に遭っています。

(乗客)「あんたどこ行こうとしたの?」
(運転手)「すみません、私が聞き間違えました。申し訳ございません」

道順を巡ってのクレーム。

(乗客)「なにやっとるんだ!」

客は財布を叩きつけ激怒。

(乗客)「なんだお前、謝りもせず」
(運転手)「謝りましたよ」
(乗客)「バカヤロー、コラ!謝ってないお前!バカヤロー、いい加減にしろ」
(乗客)「なんだその目つきは、なんか文句あるか おい!」

客が降りた後、運転手は涙が止まりませんでした。

別の入社3年目の男性ドライバーは、「カスハラ」を受けることは少なくないと話します。

(入社3年目 50代のドライバー)
「ことの大きさは、大なり小なりありますが(カスハラが)ない日は多分ないと思います」

(入社3年目 50代のドライバー)
「横断歩道に止めてくれという指示をいただきました。ただ、道路交通法上、横断歩道は駐停車禁止なので『それはできません』と言いましたら、お客さまが急に怒りだして、何で客の言うことが聞けないんだと椅子を蹴られて…」

「これからホテルに行かないか」密室でのハラスメント

一方、入社8年目の女性ドライバーは…

(60代のドライバー)
「女性としてのお誘いを受けることがある」

Qどんなお誘い?

(60代のドライバー)
「『これからホテルに行かないか』とか。家族のことを思い出すように、話の流れを持っていったりして、かわすようにしている」

タクシーの車内という密室でのハラスメント。

(60代のドライバー)
「たいへん酔ったお客さまが、荷物の中から杭(くい)を出された。バックミラーで確認したときに15センチくらいの鉄の杭」

Qシートベルトを外して杭のようなものを近づけてきた?

(60代のドライバー)
「そうです。すごく恐怖でした。いつでもとめて逃げられるようにと思っていた」

Q視界はせまい?

(60代のドライバー)
「狭いですね。(振り向くと)お客さまの動きだけは全体的に見えている」

Q(振り向くのは)一瞬しかできない?

(60代のドライバー)
「そうです」

つばめグループは3年前に運送約款を改定し、カスハラを行う客の継続乗車を断ることができるようにしました。また、カスハラ客に対し、乗車拒否や慰謝料の請求を行う可能性もあるとしています。

緊急事態となった際に、会社や車の外に知らせるシステムもすべての車両に設置されています。

(60代ドライバー)
「悲しいかな。慣れていた部分があるが、モラルを持って利用していただけると私たちは運転だけに尽くすことができますし、もっとサービス向上を目指すことができるのでお客さまにとってもいいと思う」

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