法廷に入ってきた眼鏡をかけた男は、大きめの白いシャツに青いネクタイを締め、背筋を伸ばして、時折傍聴席を気にしながら証言台に向かいました。

昨年4月、商業施設の女性用トイレに侵入し、強制的に性交などをしようとしたとして、強制性交等未遂などの罪に問われている建設作業員の男(25)の裁判です。

同じ商業施設のトイレで 出てきた女性を立て続けに

男は昨年4月4日午後3時40分ごろ、岡山県倉敷市にある商業施設の女性用トイレに侵入し、個室トイレから出ようとした女性(当時22歳)がドアを開けた際に、そのまま押し入り施錠。女性の上着をまくり上げ、女性のズボンの中に手を入れて「一回でええけえやらせて」などと言って自らの陰部を露出しました。

ほかにも、女性の首を腕で複数回締め付けたり、口を手でふさいだりして性交などをしようとしましたが、女性が抵抗し未遂に終わりました。

そしてその翌日午前11時半ごろ、男は同じ商業施設の女性用トイレにまたも侵入し、個室トイレから出ようとした女性(当時34歳)の肩を押す暴行を加えました。その後、個室トイレに押し込み性交などを試みましたが、女性が抵抗して逃げ出したため未遂に。

さらに別のドラッグストアのトイレでも

さらにその約50分後には、市内のドラッグストアで、女性用個室トイレから出ようとした女性(当時52歳)を個室トイレに連れ込み、性交などをしようとしましたが、女性が大声で叫び買い物客らが駆けつけたため、またも未遂に終わりました。

「悪質で強い犯意」判決は

今月9日の判決公判で、岡山地裁の村川主和裁判長は

「短期間に3回も同種犯行に及び、悪質で強い犯意が認められる」
「性交自体は未遂であるが、商業施設の女性用個室トイレという誰でも利用可能な場所で、男性から襲われたことにより被害者らが被った精神的苦痛は大きい」

などとして、男に懲役8年(求刑:懲役10年)を言い渡しました。

判決を言い渡されたあと、男は感情を表に出すことなく、傍聴席に軽く会釈をして法廷を後にしました。

岡山地裁によりますと、その後控訴の申し立てはなかったということで、男の懲役8年の判決が確定しました。

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