札幌市東区の陸上自衛隊丘珠駐屯地で勤務していた自衛官の男性が自殺したのは、上司のパワハラなどが原因だったとして、遺族が国に賠償を求めた裁判で、札幌地裁は、15日、国におよそ1億2300万円の支払いを命じました。

 丘珠駐屯地で航空操縦士として勤務していた自衛官の男性(当時27)は、2020年に自殺しました。

 両親ら遺族は、自殺は上司のパワハラや超過労働が原因だとして、国に対し、慰謝料などおよそ2億800万円の支払いを求めていました。

 15日、札幌地裁は判決で、男性が上司から「バカ」「アホ」「死ね」などの暴言を日常的に受けていたことや、月に90時間を超える超過勤務を余儀なくされたことが、自殺の原因であると認定。国に対しあわせておよそ1億2300万円の支払いを命じました。

陸上自衛隊北部方面本部(札幌市中央区)

 判決を受けて、陸上自衛隊北部方面総監の末吉洋明陸将は「国の主張が裁判所の理解を得られなかったものと考えております」とコメントしています。

 また控訴について陸上自衛隊北部方面本部は、「判決内容を慎重に検討し、関係機関との調整の上、適切に対処します」としています。

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