去年6月に全国で発生した食中毒の件数は88件で、患者数は556人に上り、1人が死亡しています。夏の6月から8月までの間に限れば、4年連続で6月が食中毒の発生件数が最も多くなっています。食中毒のリスクが増す季節を前に意識したいポイントについて取材しました。

食中毒は夏の時期に多く発生。室温が約20度で活発に増殖し始め、人間の体温ぐらいの35度から40度で増殖のスピードが最も速くなります。

特に6月は、気温・湿度ともに上がり始めますが、意識が低く油断しているため、食中毒の発生が増えやすいと言われています。

(県食品生活衛生課・若松正人課長)「いま細菌性の食中毒で多いのがカンピロバクターです。鶏肉には6割ぐらい既に付着しているというデータもある。新鮮だから大丈夫と過信しないでほしい」

下痢や腹痛を引き起こすカンピロバクターは去年、全国の患者数が2000人以上となりました。また、嘔吐や下痢の症状が特徴的な黄色ブドウ球菌は、人の手に付着していて、調理の際に食材に着く場合があります。

(県食品生活衛生課・若松正人課長)「まずつけないということで手をきちんと洗って、手に付着している食中毒菌をしっかり洗い落とす。ウイルスによってはなかなかアルコール消毒が効きにくいものもあるので、丁寧に時間をかけて手洗いするというのが大事」

一般的には爪や指の間、手首などに洗い残しが多いケースが目立つため、洗う際はこうした部分を意識することが重要です。

特殊な塗料で手洗い実験 洗い残し目立つ

また、細菌の多くは『加熱』することで死滅しますが、100度の加熱でも死なない「ウェルシュ菌」にも注意が必要です。この菌は、肉や魚、野菜を使用したカレーなどの煮込み料理に発生しやすく、常温で放置すると食中毒につながるおそれがあります。うまみが増す2日目のカレーも対策をしなければ食中毒になるリスクがあるのです。

(県食品生活衛生課・若松正人課長)「においを嗅いで、変な味がすると言いますが、腐敗する菌とは違いますので、においや味では食中毒菌が増えてもわからない。『つけない』『増やさない』『やっつける』ということで食中毒予防に努めてほしい」

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