27日に発生した台風1号。その影響で28日は九州から東日本の広い範囲で大雨となる見込みで、警戒が必要です。
台風1号発生 今後の進路は?
良原安美キャスター:
台風1号は27日午後3時時点、強い勢力でフィリピンの東の海上を北東方向に進んでいます。29日(水)から30日(木)にかけて、暴風域を伴いながら沖縄や九州の東の海上を北上する見込みです。
31日(金)には勢力を弱めながらも関東に接近、もしくは上陸すると予測されています。
都心に直撃の可能性もあるのでしょうか?
広瀬駿 気象予報士:
関東の近くまでやってくると勢力は弱まっていくので、直接の影響というのは西日本と東日本は限定的かと思います。ただ、間接的な影響で28日をピークに大雨となるおそれがあります。
九州南部に「線状降水帯予測情報」発表
良原キャスター:
さらに27日、気象庁から鹿児島県と宮崎県に27日夜~28日の日中にかけて線状降水帯予測情報が発表されました。
この情報はこれまで地方ごとに発表されていましたが、27日からは府県ごとの発表になり、より細かく発表されるということになりました。
線状降水帯は発達した積乱雲が直線状に並び、同じ場所に長時間の大雨を降らせ、災害の可能性を高めるというものです。
広瀬気象予報士:
梅雨の時期の集中豪雨の原因の大半は、この線状降水帯であることがほとんどだと思ってください。
良原キャスター:
なぜこの発生が予測されているのでしょうか?
広瀬気象予報士:
間接的に台風1号の影響がありますが、28日夜の予想天気図を見ると、梅雨前線が停滞している状況ですが、離れた台風が反時計回りの風を作り出して強めているんです。その流れに乗って、南から暖かく湿った空気の流れが強まる。
あと、今回は西から寒気が流れ込んできています。この寒気の東側は、雨雲が発達して上昇気流が強まりやすい場所になるので、28日にかけて九州と東日本の太平洋側では非常に激しい雨が降るおそれがあります。
もう一つ、気になるデータが26日の海水温の平年差です。日本近海はほぼ真っ赤っかの状態になっていて平年より高いことを表しています。東北沖のあたりは平年より6度も高く、記録的に高まっているところもあります。
海水温が高いと雨雲の発達がより強まって大雨となるので、今回九州を中心に線状降水帯発生の可能性が見られています。東北の辺りも予想より若干雨が強まってしまう可能性があるので、全国的に雨の影響を気にしてほしいと思います。
井上貴博キャスター:
海面水温が高いと台風が弱まらないということは、関東までそのままの勢力を保っていてもいいような気がするのですが、今回は弱まっていくのですか?
広瀬気象予報士:
この時期としては北上傾向にあるのですが、それでも海水温は25度に届いていないので、北上すればするほど台風は弱まる傾向にあるかと見ています。
ホラン千秋キャスター:
夏と比べるとまだ低いっていうことですか。
広瀬気象予報士:
5月なので、そうですね。海水温は秋が一番高いので、そこまで今回は達していないです。
28日は広い範囲で大雨に警戒
広瀬気象予報士:
28日の雨の予想です。
27日夜~28日の日中にかけて鹿児島や宮崎県の辺り、奄美地方も含めて九州南部で非常に激しい雨が降り続き、短時間のうちに土砂災害などの危険度が一気に高まるようなおそれがあります。
四国や紀伊半島、静岡の辺りでも滝のように雨が降りそうです。
関東も28日の夜をピークに激しい雨が降り、大雨となるおそれがありますので、最新情報を注視して過ごしてもらいたいです。
良原キャスター:
振り返ると、1年前にも台風と線状降水帯の発生、そして被害もありました。
2023年6月は台風2号があり、静岡、高知、和歌山、奈良、三重、愛知で線状降水帯が発生しました。和歌山県では複数の河川が氾濫し、住家被害は1418棟でした。(和歌山県発表 2023年11月時点)
また、都内でも道路が冠水するなど、多数の被害が発生していました。
井上キャスター:
線状降水帯の予測が発表されても、線状降水帯が発生しないこともある。でも、それに匹敵する大雨だということを頭に入れていただきたいです。
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