大阪市西成区に住む同性愛者の男性が、5月24日に立命館大学の講義に招かれ、自由に生きることの尊さを学生に伝えました。

 立命館大学映像学部のドキュメンタリー演習の講義。現在、東京や大阪など全国で公開中の映画『94歳のゲイ』の主人公・長谷忠さんが招かれました。長谷さんは誰かと交際したことも性交渉の経験もありません。好きな男性ができても告白できない時を過ごしました。かつて同性愛は“異常性欲”“変態性欲”だと公然と語られ、治療が可能な精神疾患とされていたからです。長谷さんは同性愛者として厳しい時代を生き抜いた経験を学生たちに赤裸々に語りました。

 (長谷忠さん)「同性愛者は数は少ないけど、必ずいる。隠し続けるか、オープンにするか、それは自由です」

 人生の大半を差別や偏見に耐えながら生きてきた長谷さん。1980年代後半になり、性的少数者への人々の意識が変化する中、同性愛者であることを隠してきた長谷さんにも変化が訪れます。

 ゲイの権利向上を目指すグループに入り、同性愛者への理解を求めるデモに参加したのです。しかし、周りは20代や30代の人たちばかり。すでに59歳になっていた長谷さんにとって、あまり居心地の良い場所ではなかったといいます。

 長谷さんは現在、周囲に自分がゲイであること公表して生活をしています。90代になって新たな出会いもありました。人生を振り返り、今の思いを学生に伝えました。

 (長谷忠さん)「同性愛者であることは幸福だった。95歳になって、同性愛者として幸福です。人間はみんな自由なんです」


 ※映画『94歳のゲイ』は5月25日にUPLINK京都で、26日に第七藝術劇場/シアターセブンで長谷さんと吉川元基監督の舞台挨拶があります。

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