保護された猫の殺処分件数は全国的に減少傾向になっていますが、次の飼い主につなげる取り組みが進められる一方、全国でも珍しい保護猫を主役にしたテーマパークの建設が大分県由布市で計画されています。

ペットブーム頭打ち

大分市のおおいた動物愛護センターには、県内で保護された野良猫や捨て猫が収容されています。センターが健康状態をチェックし、譲渡可能と判断された猫を次の飼い主につなげます。

井口キャスター:
「動物愛護センターで譲渡会が行われています。今回譲渡の対象となっているのは40匹で、新しい飼い主との出会いを待っています」

センターでは月に2回、猫の譲渡会を開催。事前審査と講習を受けた新しい飼い主が家族の一員探します。

(訪れた人)「お目当ての猫がいるので見に来たけど、いっぱいいるので迷っている」「ここにいる猫を一匹でも救おうと思って来ました」

しかし、コロナ禍のペットブームで伸びた猫の譲渡数は昨年度306匹(前年311匹)で、このところ減少傾向にあり、新しい飼い主の元へ行くことができる猫の数には限りがあるのが現状です。

おおいた動物愛護センター 金城巳代志所長:
「犬と比べると保護されてくる数が圧倒的に猫が多いので、いろんな機会に譲渡会をPRして家族の一員として飼ってもらうのが一番の幸せと考えている」

きっかけは熊本地震…保護猫のテーマパーク開業へ

保護猫を主役にした全国でも珍しい宿泊施設「保護猫フォレスト」の建設が由布市で計画されています。開業に向けて準備が進められていて、森の中につくられた建物は、猫の耳をイメージしたデザインとなっています。

保護猫フォレスト 梅崎尚子さん:
「すべてが全部一からなので、思っている以上にすごく大変ではある」

施設を計画するのは、梅崎尚子さん夫妻です。猫をモチーフにしたジュエリーを作っていて、熊本の工房兼店舗では保護猫を飼育し、希望者に譲渡する活動を続けています。新たな施設では保護猫と一緒に泊まったり、ふれあったりでき、気に入った猫は引き取ることも可能です。

また、エントランス棟にはレストランと猫カフェを併設。杉の木をふんだんに使った宿泊棟には保護猫が生活するスペースが設けられます。

保護猫フォレスト 梅崎尚子さん:
「譲渡対象の保護猫が暮らす部屋になっていて、ここで猫と一緒に寝てもらったり、遊んだりできる」

梅崎さんが保護猫に目を向けるきっかけとなったのは8年前の熊本地震。行き場を失った多くの猫を目の当たりにしました。

梅崎尚子さん

梅崎尚子さん:
「保護猫カフェにあふれている猫たちが生きていくのも大変だし、それを助けようとしている人たちも必死だし、私たちもいつかこういう活動をしたいと考えていた」

「保護猫フォレスト」はゴールデンウィーク期間中の開業を目指しています。

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