仙台市内で4月から運用を始めた次世代放射光施設「ナノテラス」が、人材交流を通して海外の技術を取り入れようとスウェーデンの放射光施設と20日、連携協定を結びました。

ナノテラスが連携協定を結んだのは、スウェーデンの放射光施設マックスフォー研究所で20日は、それぞれの所長らが覚書にサインしました。

ナノテラスは、太陽光の10億倍明るい光を使い、物質を原子レベルまで観察できる施設で4月から運用が始まりました。

一方、マックスフォー研究所は2016年に運用が始まり、薬や自動車、食品などの分野で研究成果をあげています。

協定では、施設のさらなる高性能化をめざし研究者の人材交流など、連携を図るとしています。

量子科学技術研究開発機構 高橋正光ナノテラスセンター長:
「日本だけの技術のなかで満足することなく広く情報共有をして、最新の放射光技術とそれによる成果を、東北から日本、世界へと発信していきたい」

量子科学技術研究開発機構 高橋正光ナノテラスセンター長

また、マックスフォー研究所のオーロフ・カーリス所長は「共同研究や課題共有の機会が増えるので大変意義がある。ナノテラスとのコラボレーションを楽しみにしている」とコメントしました。ナノテラスが、他の放射光施設と協定を結ぶのはこれが初めてです。

現在、ナノテラスでは民間の企業や研究機関向けに7本のビームラインが稼働しています。1口5000万円の加入金で、10年に渡って施設を利用でき、これまでに、食品会社や化学素材メーカー、大手タイヤメーカーなどが研究に活用しています。

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