東京・下町に夏の訪れを知らせる浅草神社(台東区)の三社祭は19日、3基の「本社神輿」を境内から担ぎ出す「宮出し」があり、最高潮を迎えた。

威勢の良い掛け声とともに担ぎ出された本社神輿=19日午前6時43分、東京・浅草で(平野皓士朗撮影)

 午前6時半、約2000人の氏子が担ぐ「一之宮」「二之宮」「三之宮」の宮出しがスタート。神社を出た後は浅草寺境内を通り、西、南、東の3コースに分かれて44町会を巡った。街にはお囃子(はやし)の軽快な音色と、担ぎ手の威勢のよいかけ声がこだました。  三之宮の宮出しに参加した浅草西町会の主婦中西智佳子さん(38)は「楽しく担げた。三社祭を終えると、1年が始まったという気持ちになる」と晴れ晴れした表情で話した。見物に訪れた、千葉県流山市の益(ます)紀幸さん(72)は「28歳の時、自分が担いで以来の宮出し。亡くなった妻に三社祭を見せたくて写真を持って来た。喜んでくれたと思う」と話した。  浅草寺は、推古天皇36(628)年3月18日、漁師の檜前浜成(ひのくまのはまなり)、竹成の兄弟が隅田川から引き上げた観音像を、地元の文化人土師真中知(はじのまなかち)が自宅を寺として奉安したのが由来とされる。浅草神社はこの3人をまつっており、本社神輿には3人の御神霊が一つずつ乗っているとされる。(鈴木里奈) 

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