大阪出身で、東京オリンピックの空手女子「形」の銀メダリスト・清水希容選手(30)が現役を引退しました。

 5月19日、尼崎市で引退会見を行った清水選手。両膝のケガが引退の主な理由だと明かしました。

 (清水希容選手)「競技を退くきっかけはケガが大きくて、東京オリンピック前からケガに悩んでいた」

 清水選手は大阪出身の30歳。全日本選手権を7連覇、世界選手権を2連覇するなど日本の絶対的エースとして活躍しました。

 空手の「形」は1人で演武を披露し、技の正確さ、スピードなどを競う競技。清水選手の美しく正確無比な技は世界トップレベルとされ、2021年の東京オリンピックでは銀メダルを獲得していました。

 小学3年生から兄の影響で空手をはじめたという清水選手。約20年の競技生活について「どうなんだろう」と笑顔を見せた後、こう振り返りました。

 (清水希容選手)「ほんとうにいろんなことがあったなと思います。勝てなかった学生時代、はじめてインターハイで優勝して以来は国際大会もずっと負けなしで戦ってきた。東京オリンピックはこれまで経験した中でも、比べ物にならないくらい、すごい舞台でした。ほんとうにいろんなことを経験した競技人生だった」

 ただ、19日の会見では、東京オリンピック前から両ひざのケガを抱え、十分なパフォーマンスができなくなっていたとことを明かしました。

 (清水希容選手)「日常生活するのが苦しいくらい、歩くのもしんどいくらいひざの状況が悪化していました」

 清水選手の「形」はスピード、そして正確無比な美しい動きが持ち味。しかし、両ひざのケガの影響で納得のいく演武ができなくなっていたということです。

 (清水希容選手)「技術が落ちてはいない思う。ただ、ひざが痛い影響で、自分の思う角度に曲げられない、体重が乗せられないとか、そういうふうになってきた。空手はどうしてもオフシーズンというものはないので、20年間ずっと試合に出続けてきたが体を酷使していた。上を目指すなら試合に出続けないといけない状況だが、もう一度やるのかやらないかというときに自分のベストが出せない状況で私としてはいやな状況があった」

 会見前、清水選手は尼崎市記念公園ベイコム総合体育館で「引退演武」を披露しました。選んだ「形」は東京オリンピック決勝の舞台でも披露した「チャタンヤラ・クーサンクー」でした。

 清水選手は「緊張感が勝り、うまくいかないところもあった」と話しますが、最後まで強く、美しい、清水選手の魅力にあふれた「形」を披露し、約5000人のファンから惜しみない拍手が送られました。

 引退後、清水選手は競技を退くものの、空手家として稽古を積み、指導者として活動する予定だということです。

 (清水希容選手)「理想は『動ける指導者』、今よりも高みを目指して、競技を出ていた時と変わらず技術を上げて、選手、これからの子供たちがこういう動きをしていきたいと思ってもらえるような人間であれるように私自身、しっかりやっていきたいと思います」

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