皆さん、災害への備えはしているでしょうか。宮崎県の県産品で作る保存食を紹介します。
県産米を使ったおにぎりなのですが、実は、5年間常温で保存が可能です。
今回、このおにぎりを作る宮崎市のコメ農家を取材しました。

娘が災害のときにこのおにぎりを食べられれば、携わる価値はある

宮崎市清武町の「万福」。ここの工場で作られているのが…

(万福 大幡正敏社長)
「5年間、備蓄できるおにぎりです」

見た目はふつうのおにぎりですが、長期間保存が可能となったおにぎりです。

しかも、常温のまま備蓄ができるうえに、袋からそのまま出してすぐに食べられるため、水の確保ができない場合など災害時に便利な保存食となっています。

このおにぎりは、奈良県にある企業が開発したもので、「万福」の大幡正敏社長はその技術を活用して今月からおにぎりの製造をスタートしました。

(万福 大幡正敏社長)
「自分は娘がいるのですが、娘が災害のときでも、このおにぎりを食べられれば、それだけでも、このおにぎりに携わる価値はある」

社長が作ったお米が使われている

実は、このおにぎり、大幡社長が作ったお米が使われています。

(万福 大幡正敏社長)
「ここの田んぼで米を作っています」

大幡さんは、3年前、コメ農家をしていた叔父が高齢となったこともあり、勤めていた会社を辞め、農家へ転身。
現在は、広さ10ヘクタールの田んぼで米を生産しながら、備蓄おにぎりを作っています。

(万福 大幡正敏社長)
「今、田植えの時期だったりとかで大変なのですが、このおにぎりを通して、いろんな人が救われれば、自分もやりがいなので嬉しいですね」

宮崎県産米100%にこだわっている

おにぎりを作る工場を案内してもらうと、炊き立てのお米が!

(垣内沙耶記者)
「すごくお米のにおいがしますね」
(万福 大幡正敏社長)
「これが炊飯器、1釜あたり130個ほどできます」

おにぎりには、大幡さんの生産する米だけではなく、市内6つの農家のコシヒカリを使用。宮崎県産米100%にこだわっています。

(垣内沙耶記者)
「炊くときは、普通の時と水分量とか違うのか?」
(万福 大幡正敏社長)
「水分量とかは普通の炊飯方法で、ここから先が企業秘密」

ある特殊な方法で長期保存を可能に・・・

そして、気になるのが5年間も保存ができる理由…

おにぎりには、保存料や防腐剤は使っておらず、ある特殊な方法で長期保存を可能にしているそうなんですが…、そこは企業秘密なんだそうです。

(垣内沙耶記者)
「見た目は変わらないですね」
(万福 大幡正敏社長)
「変わらないですけど、これで柔らかさを保持していく」

保存加工されたお米を整えた後は熱に強いフィルムで覆い、「熟成室」で一晩寝かせます。

(垣内記者)
「(部屋が)あったかいですね」
(大幡さん)
「あったかい」
(垣内記者)
「あったかいものをあったかいところに置いたら腐らないですか?」
(大幡さん)
「1番いい温度帯で寝かせているような段階。おにぎりは固まるじゃないですか、アルファ化してしまうけど、それが、ベータ化の状態で保持できるという技術」

そして、寝かせたおにぎりは、真空パックに入れられ、別の工場で加熱殺菌の処理をしたあと、販売されるということです。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。