首都高速で死亡事故が相次いでいます。事故を起こしたとき当事者がすることや事故を目撃・居合わせたときにどうすればいいかを詳しく見ていきます。

■運転手 過去2度人身事故「風邪ひいて薬を飲んでいた」

15日午後、トラック運転手の降籏紗京容疑者(28)が過失運転致死傷の疑いで送検されました。
降籏容疑者は14日午前7時半ごろ、首都高・美女木ジャンクション付近で渋滞の車列にトラックで突っ込み、3人を死亡させ、2人にけがをさせた疑いがもたれています。
降籏容疑者は14日午前3時ごろから運転をしていたとみられています。

降籏 容疑者
「ぶつかった時に意識がありませんでした。風邪をひいていて薬を飲んでいた」

降籏容疑者は2020年と2023年、神奈川県内で人身事故を起こし、いずれも過失運転傷害の疑いで
書類送検されていたことも新たにわかりました。
現場近くのカメラにはブレーキをかけずにトラックが突っ込む様子が写っていることなどから、
警視庁は「居眠り運転」をしていた可能性もあるとみて、今後、危険運転致死傷の疑いも視野に捜査を進める方針です。

■運転手直前に異変察知か「発炎筒見えたがとっさに」

一方、14日、首都高・湾岸線で起きたもうひとつの凄惨な事故は一夜明け、現場は半日ぶりに規制が解除されました。

この事故では乗用車2台とトラックが衝突し、乗用車に乗っていた岐阜市の会社員、栃本和也さん(28)が死亡し、24歳の男女が脚の骨を折るなど重傷を負いました。

追い越し車線に24歳の男女の車が停められ、その後ろに栃本さんの車が停まっていたといいます。
この時、栃本さんら3人は車の外にいたとみられ、そこにトラックが追突しました。
栃本さんはトラブルが起きて停まっていた男女の車を手助けするために車を停めていたとみられています。

トラックを運転していた池田匠吾容疑者(28)は異変には気づいていたとみられます。

池田 容疑者
「発煙筒が見えたので何かあったと思って車線変更するために隣の車線を見たが、目の前に赤い車があり、とっさに右にハンドルを切ってしまった」

警察は24歳の男女の回復を待って、追い越し車線に車を停めていた理由などを聞き、事故の原因を捜査する方針です。

■首都高で死亡事故相次ぐ

上村彩子キャスター:
今月11日、首都高速湾岸線の玉川トンネル内でタクシーが横転し、タクシー運転手と乗客が死亡する事故が発生しました。
そして、14日午前、美女木ジャンクション付近で3人が死亡、2人がけがという事故、夕方には首都高速湾岸線の川崎市・扇島で1人が死亡、2人が重傷という事故が発生しました。

美女木ジャンクション付近で起きた事故では、トラックが渋滞の列に追突し、車7台が絡む事故となりました。
過失運転致死の疑いで現行犯逮捕されたのは、降籏紗京容疑者です。道路に設置されたカメラには降籏容疑者が運転するトラックが減速せずに追突する様子が映っていたことから、居眠り運転の可能性もあるとみて捜査を進めています。降籏容疑者は2020年と2023年の過去2回、神奈川県内で人身事故を起こしていて、それぞれ過失運転傷害の疑いで書類送検されていたこともわかっています。高速道路での事故はどんな事故でも、命の危機に関わるとても危険なものです。

では、高速道路で事故にあってしまったら、そして事故を起こしてしまったらどうすればいいのでしょうか?

【高速道路における緊急時の3原則】(警察庁ホームページより)
・路上に立たない
・車内に残らない
・安全な場所に避難する

【路肩に停止した場合】(警察庁ホームページより)
・発炎筒、停止表示板などの設置
・110番、非常電話などにすぐに通報

事故の当事者ではなく、高速道路で事故を目撃したり、たまたま居合わせた場合はどうしたらいいのでしょうか?
交通事故鑑定ラプター所長 中島博史さんによりますと、
「よほどの事情が無い限り、高速道路で停車し、車外に出ることをしない」
「通報は、サービスエリアやパーキングエリアで行い、対処は警察に任せるべき」だということです。

ホラン千秋キャスター:
事故に巻き込まれておらず、たまたま居合わせただけであったとしてもかなりのパニックに陥る方もいらっしゃると思うのですが、特に注意しなければならないことなどを教えてください。

交通事故鑑定ラプター所長 中島博史さん:
二次的な被害を起こさないために、自分がそこに当事者として関わってしまわないために通報自体は義務ではないので、自分の安全をまず確保することが大事です。

■高速道路での事故“目撃”したら?

井上貴博キャスター:
首都高は特にカーブが多く、合流が難しい場所もあります。首都高は枠分けで言うと高速道路ではなくて、数多くの区間が制限速度50キロ〜60キロに設定されていますよね?

交通事故鑑定ラプター所長 中島博史さん:
首都高速道路は分類上は“高速道路”ではなく、“自動車専用道路”です。速度制限が比較的低い50キロ〜60キロですが、実情としてその速度で流れていないことがあります。
また、皆さん焦っているのか非常に車間距離が狭い状態で走っていることが多いことが特徴として挙げられます。運転が初心者の方は非常に運転しづらい、怖いと思うような道路です。

今回の事件が発生した美女木ジャンクションは、道はまっすぐになり見通しも良く、スピードも出しやすくなりますが、都内のような感覚で車間距離が狭いまま走っていたりすると、事故に巻き込まれたときに連鎖的な事故になってしまう可能性が高いです。

萩谷麻衣子弁護士:
事故を起こした後、一般道の感覚ですぐに車から出てしまい、後続の車にはねられたというケースもあります。車から出るという行為は本当に気をつけないといけませんし、車から出る前には、できるだけ安全な場所まで車を動かすことが重要です。特に首都高はカーブや右側からの合流も多いですし、合流する際の距離も短いです。渋滞の先がもしかしたらカーブを曲がってすぐかもしれないということを考えないといけないと思います。

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<プロフィール>

中島博史さん
交通事故鑑定ラプター所長 交通事故の分析や再現が専門 ドライブレコーダー開発なども行う

萩谷麻衣子さん
弁護士 結婚・遺産相続などの一般民事や、企業法務を数多く担当

首都高速で死亡事故が相次いでいます。事故を起こしたとき当事者がすることや事故を目撃・居合わせたときにどうすればいいかを詳しく見ていきます。

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