急な発熱などの体調不良で学校や保育園などに行けない子どもを病院や保育所へ一時的に預ける「病児保育」は、共働きの親にとって、非常に役に立つ制度です。

一方で、仕事などのため保護者が子供をすぐに迎えに行けず病児を受け入れる保育施設に連れて行くことが難しいケースもあります。

こうした状況を解決しようと病児保育室の職員が体調不良の子供をタクシーで迎えに行くサービスが10日、福岡県宗像市で始まりました。県内では、初の取り組みです。

急な病児のお迎え…職場離れるか、親族に頼るか…

福岡県宗像市の平等寺保育園です。この保育園では子供が38℃以上の熱を出した場合、保護者に連絡して迎えに来てもらいます。

これまでは有休などを使って職場を離れる人や迎えにいけない場合親族に頼る人も少なくなかったといいます。

園児の保護者「今から出勤します。幸い理解がある職場なので『ごめんね』みたいな感じで抜けている」

園児の保護者「休んでいました。それか早退するか…。子供が心配な気持ちと職場にて申し訳ない気持ちと複雑な気持ちで過ごしていた」

「病児保育お迎えサービス」とは

宗像市が10日から始めた「病児保育のお迎えサービス」では、保護者はまず、市内にある病児保育室に連絡をします。すると、看護師や保育士がタクシーを使って子供を保育園に迎えに行き、診察を受けた後に預かってもらうことができます。

平等寺保育園・高島佳南絵主任「お母さん達の仕事柄、急に来れないのは十分分かっているけれど、命を預かっているので。すごいありがたいなと思う」

病児保育室の職員がタクシーで保育園に

浅上旺太郎記者「小児科の病院に併設された病児保育室です、子供が体調不良になった場合こちらの職員がタクシーで子供を迎えに行きます」

市と委託契約を結んでいる病児保育室です。看護師と6人の保育士が勤務をしていて、最大で15人の子供を預かることができます。

お迎えサービスの利用は、宗像市内の保育所や幼稚園に通う未就学児が対象で病児保育室に事前登録が必要です。

病児保育室めばえを運営する片山医院・片山幸樹院長「お母さんとお父さんが安心して働ける安心感が必要。需要とやりがいがある気持ちがだんだん強くなってきた」

福岡市と北九州市の中間・市外への通勤が多い宗像市

福岡市と北九州市のほぼ中間に位置する宗像市では、市外に通勤する人は、男性の8割女性の5割にのぼります。

職場と保育園が離れている家庭も少なくないため宗像市は県内で初の試みとしてこの「お迎えサービス」を始めました。

宗像市幼児施設支援係・國本璃帆主任主事「安心して子供を育てるためのセーフティー的な立ち位置でこのサービスを使ってもらえたら」

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