踏切もあって、信号機もない交差点…。広島市でも有数の渋滞ポイントが、6月から大きく変わります。JR芸備線の中山踏切が来月、廃止されることになりました。

JR芸備線の中山踏切は広島市東区にあります。踏切のすぐ隣には、交通量の多い道の交差点が…。県や国土交通省などでつくる交通渋滞対策部会は、「主要渋滞箇所」に指定しています。

特に混雑するという戸坂から広島駅方面へのルートを朝のラッシュ時に記者も実際に走ってみました。中山踏切の400メートル手前から渋滞が始まり、交差点が近づくにつれ完全に車列が止まる回数も増えてきます。

信号機がないのでどの車も慎重に進んでいるためです。ようやく渋滞の先頭の交差点にたどり着いても車が途切れず、なかなか右折することができません。これでは渋滞が発生するのも納得です。

バスが進路を譲ってくれてようやく進むことができましたが、400メートルの通過に8分が掛かりました。通るのが難しい交差点だという印象です。

信号機はなし ドライバーは“あうんの呼吸” 渋滞にしびれを切らす車も…

広島県警によると、交通量はあるものの踏切が隣接していて道路形状が特殊であることなどから、信号機はこれまで設置されてきませんでした。

そのため、ドライバー同士があうんの呼吸で進んでいきます。遮断機が下りると車列はストップ。追い越しでのはみ出しは禁止となっている道路ですが、踏切を通らないドライバーの一部は、渋滞にしびれを切らして車線をはみ出して逆走していました。なかには対向車と接触しそうになる場面もみられました。

中山踏切周辺では2012年からの10年間に29件の事故が発生。この周辺が、来月に大きく変わります。

隈元 大樹 記者
「6月6日にアンダーパスが開通すると、現在使われている中山踏切は閉鎖され通行できなくなります」

JR芸備線の下をくぐる新たな道路。片側1車線の車道と車道から分離された歩道が整備されます。

広島市 道路交通局街路課 松岡 宏昭 課長
「中山踏切を起点とする渋滞はなくなりますし、踏切での事故というのはなくなるという風に考えています」

6月6日以降は車も歩行者もアンダーパスを

現在は主要な道路と踏切が交錯するルートとなっていますが、6月6日以降、中山踏切は通行できなくなり、線路を越えるために車も歩行者もアンダーパスを通ることになります。

通行人
「遠回りになるのか近回りになるのか、出来てみないとわからないですね」「スムーズには行くと思いますが、慣れていない人はやっぱり困ると思うんですよ。いつもの道で行ってるので、新しい道を通るっていうのが。」

半世紀以上前から中山踏切を経由する路線を運行しているバス会社もこれまで渋滞に苦慮していました。

広島バス 運輸課 平岡 祐介 課長
交通量が多くて混雑してしまう場合には20分から30分くらいの遅れがここが原因で起こってしまうというのは、現状たびたびあります。道の流れがよくなってくれるのであれば、喜ぶべき事だと思っているところです」

6月6日に迫るアンダーパスの開通と中山踏切の閉鎖。一部の道が通り抜けできなくなるなど、周辺の道路形態は大きく変わります。広島市では道を間違えないよう、看板の設置などで周知したいとしています。

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