ロールキャベツに、五目ずし、信州サーモンを使った一品など、20種類もの総菜が並ぶ店が3月にオープンしました。
総菜は、すべて店主の手作り。
開店前の準備から密着しました。
【午前9時】
田村美恵子さん:
何時起きですか?
「5時半ですね」
一人で準備されるんですか?
「そうですね、下準備は私が一人でやっています」
山ノ内町に暮らす田村美恵子さん。
湯田中駅近くに3月、総菜店「キッチンたむら」をオープンしました。
取材した日は、開業してまだ10日ほどがたったばかりです。
田村美恵子さん:
「お客様がこんなお店欲しかったって言ってくださるんで、とってもうれしく思ってます」
店に並ぶ20種類もの総菜は全て手作り。
午前11時の開店に向けて、美恵子さんは手際よく準備を始めます。
美恵子さん:
「こうやってね、季節のものを出すのもいいなって思ってやってます」
それは何ですか?
「これはうどの酢みそ和えです」
厨房にお邪魔すると、すでに料理がいくつも完成していました。
美恵子さん:
「これは私が自分で食べるのも好きで、春キャベツのロールキャベツです」
「軟らかいですからね。今一番おいしいとき」
「あとこちらがね筑前煮ですね」
「ちくわも入って、信州の煮物絶対入れちゃいますよね。ないとだめ」
宮入キャスター:
「なんでそんなにお料理上手なんですか?」
美恵子さん:
「上手ではないんですけども、自分の実家がねドライブインなもんですから」
「小さいときからやっぱりそういう料理に携わってましたんでね、嫌いではなくて好きです作るのが。食べるのも好きだし」
美恵子さん:
「信州サーモン美味しいですよ。この近くで養殖していますからね」
「地元の野菜とか食材を生かしていきたいなと思ってます」
宮入キャスター:
「お店出そうと思ったきっかけって何ですか?」
美恵子さん:
「やっぱりコロナ禍でお土産が」
「もともと隣が酒屋で、こちら側はお土産を売ってたんですけども、ここはもう直結なんですね、お酒の瓶がばーって並んで」
総菜店の隣りにある田村酒店。
実は美恵子さん、酒店の女将さんで、土産物を扱っていました。
しかし、コロナ禍で観光客が減少。
店にとって大きな打撃となりました。
美恵子さん:
「お土産も出なくなったし、良い場所なのにもったいないなと思ってね。で私に何ができるかなって思ったら、お料理があったんでね」
「この地域も皆さん一人暮らしの方が多くなったり皆さんお勤めに出てたりして、だからこんなようなお総菜屋さんあれば、いいなって思ってたから、それだったらやろうかなと思ってやりました」
大切にしているのは手料理。
それも美恵子さんのお母さんから受け継がれる味です。
美恵子さん:
「高級な味付けは食堂行けば食べられますけどね」
「昔懐かしい私が子どものころに食べた味を大事にしています」
「今度は桶が登場しましたね」
「おすしを作ります」
「何ずしですか?」
「五目ずしです。これ母が私が好きで何かのときに必ず作ってくれてた味ですね」
「お祝いのときは五目ずしでって時もあった?」
「お誕生日には必ずたっぷりかけて、五目じゃすまないくらい、桜と菜の花だね」
開店まであと1時間。総菜作りはラストスパートに入ります。
美恵子さん:
「ドライブインの前の私のうちは肉屋だったんですよ。子どものころはコロッケとメンチカツと揚げて販売してたんですよね、お肉屋さんの横で」
美恵子さんが思い出の味と話すひき肉を使ったコロッケはワンコインの100円。
そして、コロッケはもう1種類…
美恵子さん:
「キュウリと鮭缶です」
「え?キュウリ?」
「キュウリと鮭のコロッケです。うちのおばあちゃんの秘伝のコロッケです」
「皆さんびっくりしますよキュウリが入ってるのって。私がお嫁に来るときに田村の母が作ってくれたんですけどね、食べてみます?」
「いただきます。揚げたて、おいしいジャガイモのほくほくした中に、鮭とキュウリがやっぱりさっぱりしますね。味見しながら作業ってされるんですか?」
「しますよー。だから出来上がったときはもうお腹いっぱい」
午前11時。この日も20種類の手作り総菜が出そろい「キッチンたむら」開店です。
お客さん:
「手作りで珍しいコロッケなんで美味しかったです」
お客さん:
「全部手作りですごいよね。良いですね明るくて」
お客さん:
「惣菜屋さん、前からあればいいなと思っていたから、ありがたいです」
休む間もなく美恵子さん、今度は店に立ち笑顔で接客します。
お客さん:
「鮭キュウリ面白いじゃん2つ」
「彼女昔から知ってるんですけどバイタリティがあって、いつも元気をもらってるんでまた頑張ってほしいと思います」
美恵子さん:
「楽しいですね、いろんなお話して」
「だいぶ温泉場もガラッと変わって、雰囲気も昔と違ってきてますけどね、おふくろの味っていうものが一番の御馳走だと思ってるんで、家庭の味を生かして、ここの辺が賑やかになってくれるといいなって、いうような思いはあります」
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