救命法を習得した5人の連携した処置が、命を救った。京王線橋本発新宿行き特急車内で4月、心肺停止になった50代男性を乗客と駅員ら5人が心臓マッサージや自動体外式除細動器(AED)で救命し、東京消防庁世田谷消防署は8日、消防総監感謝状を贈った。男性は退院したという。

◆意識がなく…交代で心臓マッサージ

感謝状を受けた酒井寿さん(前列左)ら=8日、東京都世田谷区で

 5人は、乗客だった東京都内の私立小学校養護教諭酒井寿(ひさ)さん(44)と警備会社員椎葉一仁さん(54)、京王線明大前駅にいた警備員遠藤大輔さん(41)、駅員落合敏光さん(58)と栗橋隆夫さん(59)。酒井さんは看護師資格があり、他の4人も東京消防庁の救命講習を受けたり、指導する「応急手当普及員」だった。  特急車内で男性が突然、あおむけに倒れたのは4月2日午前6時半ごろ。酒井さんが「大丈夫ですか」と呼びかけても意識がなく、心臓マッサージを始め、椎葉さんも加わって交代で続けた。次の停車駅・明大前に到着すると駅の3人が駆けつけ、遠藤さんがAEDの電気ショックを2回行った。救急車の到着時には呼吸が戻ったという。  この日、感謝状を受け取った酒井さんは「お役に立ててうれしい」。椎葉さんは「講習を受けていたので冷静に対応できた」と振り返った。救命講習は各消防署や、都内では東京防災救急協会で受講できる。総務省消防庁は一般向けに応急手当てのウェブ講習を配信している。(奥野斐) 

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