新年度の環境の変化が原因で心や体に異変が起きる「五月病」。連休から日常に戻るGW明けに注意が必要です。どう対処したらいいのでしょうか。

■「五月病かも」どう判断すれば? 病院に行くべき症状も

南波雅俊キャスター:
働く20~50代の男女1276人に聞いた民間のアンケート(※)によりますと、「五月病になったことがある?」という質問に対し、▼確かにある22.8% ▼あると思う32.8% ▼ない37.1% ▼わからない7.3%という結果になりました。つまり何らかの形で「五月病になったことがある」と答えた方が5割を超えているということになります。(※ ヘルスケアテクノロジーズ株式会社「HELPO」より)

厚生労働省によりますと、五月病とは「新しい環境への適応がうまくいかず、心身に不調があらわれる状況。ゴールデンウイークを過ぎた頃に注意が必要」といいます。

五月病の症状や、病院に行く目安などについて、東京歯科大学市川総合病院 寺嶋毅 医師に話を聞きました。

【症状】
・気持ちが落ち込む
・眠れない
・体がだるい
・会社に行きたくない など

【判断の目安】
・食べられない、眠れないことで、体重が減るなど、目に見えて体に影響が出る場合は五月病と考えてよい

【病院に行く目安】
・体重の変化でいうと3キロ以上の減少、体のだるさなどは4日以上続く状況であれば受診をした方がよい

ホラン千秋キャスター:
眠れない、だるいなどといった症状は誰にでも感じることがあると思います。この判断目安を参考にしたほうがよいでしょうか。

東京歯科大学市川総合病院 寺嶋毅 医師:
そうですね。体重については1、2キロの増減は皆さんあると思いますが、それ以上減ってしまったり、食事がとれなくてげっそりしてしまったり、眠れない日が続くということがあれば、我慢をせずに受診をしてもいいでしょう。

井上貴博キャスター:
昔は「気合いで乗り越えろ」という根性論もありました。しかし、体調不良で風邪をひくのですから、メンタル不良だって当然あると思います。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
心も体も一度壊してしまうと、なかなか元に戻らないこともありますので、自分の変化に早く気づいて、早めに対処していくことが大事だと思います。また恥ずかしいと思わずに、誰かに相談する、言葉にすることも有効なのではないでしょうか。

■あの人五月病かも…どう対応? 

【五月病かも?と感じた場合の対処法】
・ウォーキングなどの軽い運動
うつ気味で出にくくなった「セロトニン」が出やすくなる
・夜のスマホを控えるなど眠れる環境作り
・趣味などの話でOKなので誰かと話す

井上キャスター:
日本ではカウンセラーに相談という文化がまだ根付いていないように感じますが、いかがでしょうか。

寺嶋毅 医師:
カウンセラーや精神神経科の受診は、「本格的な病気になってしまったのではないか」と感じてしまう方もいるかもしれません。まずは周囲とコミュニケーションをとってみましょう。

友人、家族、周囲の人と、趣味の話など何気ない話題を話してみてください。話すことによって気分が紛れますし、そこに解決策がなくても、話してるうちに自分自身で考えがまとまることもあります。

南波キャスター:
周りの人が五月病かもという状況もあると思います。寺嶋先生によりますと、▼遅刻が増えた、▼口数が減った、▼ぼーっとしていることが増えたという方が周りにいた場合は、「最近どう?」「慣れてきた?」など、何気ない会話をして、相談されるのを待つといいのではないかということです。

ホランキャスター:
この時期は心のハードルを下げておくのも非常に重要だと思います。例えば4月は頑張っていたけれど、ちょっと体調がすぐれないなというときは、「起きられただけで100点」と思うようにするなど、甘めの設定にするのがとても大事な気がします。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
常に100点を取ろうとすると、苦しくなってしまいますよね。私も練習に行きたくない日がありました。そんな日はもうプールに行っただけでOKくらいの気持ちでやっていました。皆さんも軽い気持ちで日々を過ごしてもらうといいかなと思います。

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<プロフィール>
寺嶋毅さん
東京歯科大学市川総合病院総合内科専門医
感染症からスポーツ医学まで幅広く対応

松田丈志さん
元競泳日本代表 五輪4大会出場 4個のメダル獲得
JOC理事 宮崎県出身 3児の父

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