淀川の干潟で希少な昆虫を発見。見つけたのは小学生でした。

 大阪・淀川の河口域に広がる海老江干潟。淀川に住む生き物や渡り鳥のえさ場や休憩場所になっています。ここで小学生が大発見をしたのです。

 (小学6年生 林悠貴さん)「あそこらへんで獲った覚えがある。あの出っ張っているところで獲った」

 小学6年生の林悠貴さん。4月10日、専門家と干潟の生態調査に参加していたところ、偶然網にかかったのが…。

 「あ!こいつは!キマダラカゲロウっていうんだよ」

 「キマダラカゲロウ」とは琵琶湖などの極めて狭い範囲に生息する昆虫。京都府では絶滅危惧種に指定されている希少な虫で、大阪では今回初めて発見されました。長年この海老江干潟の生態調査に携わってきた専門家である「京の川の恵みを活かす会」の代表・竹門康弘さんにとってもこの発見は予想外でした。

 (竹門康弘さん)「大阪府では見つかっていませんでしたから、もしこれが大阪でちゃんと定着しているということがわかれば、大阪府でもレッドデータスピーシーズになる。その最初の発見ということになります」
 (林悠貴さん)「(Qそれを聞いてどう思いますか?)うれしいですね」

 淀川は元々両岸に干潟が広がっていましたが、川の改修工事などの影響で激減。その後、自然を取り戻そうと20年前に作られたのが海老江干潟でした。

 (竹門康弘さん)「岸際までどん深の川じゃなくて、干潟がそこかしこにあるような環境であれば、いろいろな生き物がそこを拠点に暮らすことができるという、そういったことを示していると思います。人工的であってもこうした浅場を作るということが、いろんな生き物にとって住みかとして役に立っていると思います」

 この日もわずか2時間でハゼ15匹、チチブ1匹などを発見。大都会を流れる河口の干潟が豊かになっていることがわかりました。さらに…、悠貴さんは、海老江干潟では珍しい魚(カジカ)を捕まえました。初めての記録になるか詳しく調べるためにDNAを分析することになりました。

 (林悠貴さん)「生き物がいなかったらこの世界はきっとまわっていなくて、人間も暮らしていけないと思います。人間が生き物を守って、生き物を人間と同じ価値の高さにできる世界が来たらいいと思います」

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