アスリートを支える公認スポーツ栄養士。宮崎県内で初めてこの資格を取得した男性を取材しました。

栄養学に基づいて食の面からアスリートを支える専門家

サッカーの名門、日章学園高校の選手たちと話をしている男性。
日本スポーツ協会公認スポーツ栄養士、中村優太さんです。

(公認スポーツ栄養士 中村優太さん)
「子どもたちに正しいスポーツ栄養の知識を伝えたいと思い、目指した」

公認スポーツ栄養士とは、栄養学に基づいて、食の面からアスリートを支える専門家。
中村さんは、去年10月、県内で初めてその資格を取得しました。

普段、宮崎市の病院で管理栄養士として働く中村さんは、仕事終わりに県内の中高生アスリートを食事の面からサポートしています。

この日、サッカー部の新入生に配ったのは、食事の調査票。
選手が、普段、どんな食事をしているのかを調べ、改善点の指導に役立てます。

(サッカー部の選手)
「中村さんの影響もあって、サッカー以外の部分に対しても意識が持てるようになった」

中村さんの出身校、南九州大学の学生も一緒に現場で学んでいます。

(南九州大学3年 薬師千尋さん)
「選手からの質問に答えている答えを聞きながら学んでいる」

トレーニングや食事内容がちゃんと結果に反映されているかを評価

続いて、中村さんが訪れたのは、寮の食堂です。

(中村さん)
「鶏肉?今日は」
(選手)
「筋肉つくかなと思って」

公認スポーツ栄養士のサポートの流れは次の通り。

まず、食事調査などで選手の課題を抽出し、目標を設定します。
そして、栄養補給や減量計画など種目ごとに異なるサポート計画を実施。
その後、評価を行ってそれぞれの目標を達成させます。

(公認スポーツ栄養士 中村優太さん)
「まず自分の体を知って、どう変わっているかというのを定期的に測定してフィードバックしてあげることで、自分自身がやっているトレーニングや食事内容がちゃんと結果に反映されているかを評価できる」

間違った食トレや体重設定で選手のチャンスを失わないように

別の日、中村さんの姿はボクシング場にありました。
体重調整が欠かせないボクシング部の食事の相談に乗っています。

練習の合間をぬって、中村さんが選手にアドバイスします。

(公認スポーツ栄養士 中村優太さん)
「野菜サラダを食べてヨーグルトを飲むか、バナナ、おにぎりをバナナに変えるとか」

(公認スポーツ栄養士 中村優太さん)
「間違った食トレや体重設定で選手のチャンスを失わないように、選手自身が自分に必要な栄養について理解して食品選択できるように」

(日章学園高校ボクシング部 圖師安蓮選手)
「(自分は)減量が多い方なので、ラインなどで中村さんに全部聞いて、体重がうまく落ちているので、本当に助かっている」

中村さんは、インターハイや国体でもボクシング部に帯同し、試合直前まで食事の面から選手のコンディションを支えています。

(日章学園高校ボクシング部 長嶺秀昭監督)
「食事も(選手は)あまりいっぱい食べられないので、部屋で作って生徒に食べさせたり、自分も調理師だけど、中村さんも調理も好きなので、2人でいろいろ試行錯誤しながら(選手の食事を考えている)」

成長期に必要な栄養をしっかりとれるというところが大前提

県内初の公認スポーツ栄養士として若いアスリートをサポートする中村さん。
今後の目標は…

(公認スポーツ栄養士 中村優太さん)
「成長期に必要な栄養をしっかりとれるというところが大前提。そこが1番大事なんだよというのを周知していきたい。自分がサポートした選手が宮崎から世界で活躍できるようにこれからも栄養サポートしていきたい」

(スタジオ)
全国でも強豪校である日章学園高校のサッカー部、ボクシング部の強さはこういう面にもあったんだと感じました。
競技を続けていく上で、けがをしにくい体を作るということは、選手生命にもかかわってくると中村さんは話していて、体作りが基礎になってくるということを実感しました。

中村さんは宮崎スポーツ栄養協会という組織を立ち上げ、先日から活動をはじめました。
そこで県内の管理栄養士の方にスポーツ栄養の知識をもっと伝えていきたいということでした。

※MRTテレビ「Check!」5月1日(水)放送分から

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