日本被団協のノーベル平和賞受賞もあり注目されている被爆地広島で、外国人旅行客から伝統芸能の「神楽」が話題に。その訳は?
豪華な衣装と華麗な舞。「神楽」は日本人だけでなく外国人観光客からも人気を集めています。
アメリカからの観光客
「すばらしくてきれい」
「これまでに神楽を見たことはなかった。パフォーマンスにとても感動した」
古めかしい日本語の台詞の難解さが課題でしたが、今年度から舞台の上に英語の字幕を投影したところ、好評だといいます。
字幕を担当しているのは、広島市在住のアメリカ人、レイチェル・ニコルソンさんです。
英語字幕を担当 レイチェル・ニコルソンさん
「能や歌舞伎や文楽は、結構かしこまったイメージがあるが、神楽は全然そうではなくて、お客さんと舞い手が一体になって楽しめるもの」
神楽を初めて見る人でも楽しめるように翻訳を工夫したそうです。
例えば、「八岐大蛇」は「8つの頭をもつ悪魔の蛇(The eight-headed demon snake)」。
大蛇が悪役だと分かるように表現しました。そして、大蛇を退治する須佐之男命の登場シーンでは。
「これはこれは、如何なる神にてましますや」
レイチェルさんの字幕は「偉大なる神よ、どうか名前を教えてください(Who are you, oh mighty god that stands before us?)」。
須佐之男命への敬意が込もった、自然な英語になるように意訳したといいます。
レイチェルさん
「どうやってこの感情を伝えようかなと工夫しながら翻訳して、すごく楽しかった」
字幕の効果もあって、コロナ禍でゼロまで落ち込んだ外国人の入場者数は、今年度、過去最多を更新中です。
レイチェルさん
「会場の半分が外国人というのを見ると、やっていてよかったな、がんばってよかったなと。神楽の良さが観光資源として広まっていってると思うとすごくうれしい」
レイチェルさんが翻訳した神楽の演目は100以上。今後も神楽の魅力を伝え続けたいといいます。
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