公立学校の教員のうち、精神疾患で休職している人の数が7000人を超え、過去最多を更新しました。心療内科に通院する現役の教員が取材に応じ、「今も絶望の淵に立ってしまう」と苦しい胸の内を明かしました。

都内の公立小学校に勤める30代の女性教員。心が折れたきっかけは2年前の「いじめ対応」でした。

東京都内の公立小教員
「仲間外れをしちゃっていた(いじめ)加害者の子どもを指導して、(加害者の)保護者に連絡を入れたのですが、クレームになって返ってくるということがあったので…」

保護者からの激しいクレームを受けてから出勤したくなくなったといいます。心療内科を訪れると、医師から「抑うつ状態」と診断され、2か月間休むよう勧められました。

東京都内の公立小教員
「子どもたちが教室の中で騒いでいるのを注意しても全然静まらない夢とか、自分が怒鳴りつけているような夢ばかり見るようになっていました」

文科省の調査によると、精神疾患で病気休職している教員は3年連続で増え続け、昨年度は7119人と過去最多に。最も多かった要因が「児童・生徒への指導に関する業務」で、4人に1人が当てはまり、特に若い教員がこの問題でメンタルに不調をきたしたことが分かりました。

この教員は近年、対応が難しい子どもたちが増えたと言います。

東京都内の公立小教員
「衝動的に周りの子どもたちを殴る蹴る、暴言暴力が止まらない子がいたりします。特別に支援が必要な子たちもたくさん通常級の中で見なければならなくなり、担任がその子どもたちを抱えて仕事をしている状態なので、本当に人が足りてないなと感じます」

いじめや不登校の問題にも追われる中、生徒一人ひとりに十分な対応をするためにもサポートが必要だと訴えます。

この教員は心療内科に通いながら何とか出勤していますが、今も急にメンタルが落ちることがあると言います。

東京都内の公立小教員
「ちょっと子どもと嫌な雰囲気だったり、保護者から何か言われたりがあるだけで、一気に絶望の淵に立っちゃうというか…」

文科省はメンタルヘルス対策の充実などを進めるとしていますが、課題は山積しています。

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