2024年に東京都で発生した住宅火災での死者は72人と、過去10年で最多となっています。
この時期おこりやすいストーブ火災はどのように防げばいいのでしょうか?
市民防災研究所の坂口隆夫理事に聞きます。
12月~3月に火災が増加
東京の住宅火災における月別の死者数(過去5年間)を見ると、12月から増加し、1月が最も多く過去5年間で64人となっています。
坂口氏は「空気が乾燥する12月~3月は火災多発期で特に注意が必要」と話します。
市民防災研究所 坂口隆夫理事:
やはり就寝中に火災が起きると亡くなる確率は高いんですよね。
ですから電気ストーブをつけたまま寝てしまったり、布団の中でたばこを一服したりすると、そのうちに命を落としてしまう。それがやっぱりこの時期なんですね。
出火の原因としては「たばこ」が最も多く、2番目に多いのが「ストーブ」となっています。
コメンテーター ふかわりょう:
家の前の落ち葉を掃除することがあるんですけど、いつも吸殻が落ちているんですよ。
一部のマナーの悪い人ではあるんですけども、軽い気持ちで捨てた吸殻が枯葉に移って大きな火災になることを想像すればその手が止まると思う。もうやってることは放火に近いことだという意識を持ってほしいですね。
気象予報士 森朗氏:
しかも葉っぱによってはオイルを含んでいるものもありますからね。
ストーブ火災を防ぐポイント
ストーブの上で洗濯物を干していてタオルが落下し発火するケースや、就寝時にストーブに布団が接触して火災となるケースもあります。
≪ストーブ火災を防ぐポイント≫
◆ストーブの上に洗濯物を干さない
◆寝るときにストーブを使用しない
◆ストーブの前面1メートルに燃えるものを置かない
坂口隆夫理事:
この3つを守っていただけたら、私は電気ストーブの火災はゼロに近づくと思っています。
電気ストーブは安全だという意識が強いから、布団の近くに置いてしまうんですね。ストーブの表面は600℃以上になりますから、足で蹴ったりして布団が接するとすぐ火災になってしまいます。
ロボット掃除機と電気ストーブの併用に注意
また、ロボット掃除機を使う際にも注意が必要です。
稼働中のロボット掃除機に押されて電気ストーブが動き、ソファーなどの家具に接触してしまうことも。
東京消防庁によると同様の事例は実際に起こったことがあり、取り扱い説明書の使用条件や注意点を読み、危険な状態にならないよう呼びかけています。
坂口氏によると、ロボット型掃除機がコードを巻き込んで電気ストーブを移動させてしまう場合もあるので、ストーブから離れるときは「電源を切る」「コードを抜く」ことが大切です。
恵俊彰:
ちょっと30分、お出かけ中にロボット掃除機に掃除しといてもらおうというのはありがちですよね。
坂口隆夫理事:
電源を切っても、コードが繋がっていると場合によっては、電源が傷ついてスパーク、出火という可能性もありますから、必ずプラグをコンセントから抜くということを励行してもらいたいですね。
コメンテーター ふかわりょう:
どういうプロセスで出火につながるんですか?
坂口隆夫理事:
一つはトラッキング現象の火災です。
プラグがコンセントに常時差し込まれているものは、時間が経つと緩んできてその間にホコリが溜まって水分を含むと電気が通じちゃうんです。それでスパークして火災につながります。
あとはコードを束ねて使ったり、折り曲げて使ったり、重い物の下に挟まれていたりすることで半断線状態になって熱を持って出火する。
タコ足配線も注意しなきゃいけないですね。コードは、大体1500Wまでしか使用できませんからそれ以上の器具をたくさんつけていると、元の方で熱を持ってそこで火災が起きてしまう。
恵俊彰:
たまに抜いてちゃんと掃除した方がいいんですね。
坂口隆夫理事:
大掃除の時期ですからね。コンセントを抜いて、乾いた布でホコリを取ってまた差し込むといいです。
(ひるおび 2024年12月18日放送より)
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<プロフィール>
坂口隆夫氏
市民防災研究所理事
元東京消防庁 麻布消防署長
40年にわたり消防行政に携わり様々な災害を経験
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