19日は東京などで「初雪」を観測する一方、空気はカラカラ。乾燥が続く中で、外出中に火の手が上がる「留守火災」に注意が必要です。

■年末年始 収れん火災に注意 身近なものが出火原因に

井上貴博キャスター:
去年1月〜12月の建物火災発生件数(消防庁・消防統計より)を見てみると、やはり冬の期間に増えることがわかります。1月と12月は2000件を超えています。そして夏場など湿気が高い時期は若干下がることが見て取れます。

市民防災研究所の坂口隆夫理事によると「家を空けることが多い年末年始は収れん火災に注意が必要」とのことです。
収れん火災とは、反射や屈折などにより太陽光が一点に集中し、可燃物を発火させる火災のことです。数分で大きな火災に結びついてしまう恐れがあります。

冬の太陽は夏よりも光度が低いので、夏場に比べ、部屋の奥まで光が差し込むことがあります。太陽光が窓際に置いた凹面鏡に反射したり、太陽光がステンレスボウルの中で反射してしまうことで収れん火災のリスクがより高まるというわけです。

身近なものから出火する恐れもあります。水が入ったペットボトルや水が入った花瓶、眼鏡、透明な吸盤なども太陽光を一点に集中させるものです。車の中でも収れん火災のリスクがあるため注意が必要です。

どのような対策が必要なのでしょうか。市民防災研究所の坂口隆夫理事曰く「太陽光が差し込む範囲に原因となる物を置かない。カーテンはしっかり閉める。条件がそろえば数分で出火に至ります」とのことです。

■ホコリで発火 トラッキング現象 留守火災を防ぐには?

井上キャスター:
火災というと“トラッキング現象”があります。コンセントとプラグの間にたまったホコリに湿気が加わることで放電・発火するものです。
乾燥している冬でも、結露などで湿気を含み発火することがあります。緩んでいるプラグはしっかりさす、乾いた布で拭くことも対策になります。

市民防災研究所の坂口隆夫理事は「家を空ける時間が長ければ、火災の発見が遅くなり燃え広がる可能性も。帰省する前にしっかり対策を」と話します。

ホラン千秋キャスター:
朝が寒いので、着替えるときにストーブの前に衣服を温めたまま忘れてしまうといったこともあると思います。二重三重にチェックしたいです。

歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
暖房機器は出火原因の第5位です。2位が焚火なので冬場にこの2つが底上げするのかなと思います。私は火消しの小説を書くので調べたところ、4位が放火でした。自然に火がつくこともありますが、家の周りに燃えやすい物を置かないことが大切です。戸締りだけでなく、燃える物の戸締りもしていくことが一つの対策になるのかもしれないです。

■太平洋側 年末年始も少雨傾向 乾燥注意報 しばらく継続か

気象予報士 小野裕子さん:
東京でも19日朝にかけて初雪が降りましたが、降水量としては1ミリにも満たず、相変わらず火災に注意が必要な状態が続いています。
東京以外でも19日は西日本を含めて初雪ラッシュとなりました。ただ午後5時時点、関東から西のエリアでは晴れのエリアが広がってきています。

空気の乾燥も続いています。午後5時時点では、北海道から沖縄にかけて広い範囲で乾燥注意報が出ている状況です。

東京では21日(土)に少し雲が多くなり夜に雨が降る可能性がありますが、その先はクリスマス、年末年始にかけて冬型の気圧配置の日が多く、晴れて乾燥した状態が続きそうです。

■1月にかけて強い冬型続く 日本海側は大雪に警戒を

小野裕子さん:
19日は東京や大阪などで今シーズン一番の寒さとなりました。

気象庁から最新の1か月予報(12月21日〜1月20日)が発表されました。平均気温は北海道から沖縄まで低くなりそうです。降水量は日本海側で多く、大雪のリスクがありますが、太平洋側では相変わらず雨が少ない状況が続いていきそうです。

この先の予想を見ていきます。21日(土)は雨が降りそうですが、太平洋側では22日(日)から晴れの天気が続くでしょう。22日(日)から23日(月)にかけて冬型の気圧配置が強まることで、北日本や北陸など日本海側を中心に雪と風が強まって荒れた天気となる恐れがあります。移動される方は交通情報にもご注意ください。

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<プロフィール>
小野裕子さん
気象予報士・防災士
長野県茅野市生まれ 大分県大分市育ち
テレビ出演のほか、防災気象講演会や防災士養成講座の講師も務める

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