インフルエンザが全国各地で流行しています。年末年始に向けて、さらなる感染の拡大が懸念されています。

■医師「血圧や脈拍や意識にまで影響を及ぼすような重い症状」今年のインフル

寒さが厳しくなり、空気が乾燥する今、猛威を振るっているのが、インフルエンザです。都内のクリニック「いとう王子神谷内科外科クリニック」では…

患者(50代)「せきが辛くて、ここが痛いんですよ」
伊藤院長「肋骨が折れそうなぐらい?」
患者(50代)「そう」

3日前にせきや発熱などの症状が出たという女性は、「インフルエンザA型」に感染していました。

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長
「2週間前から突然ですね、その前の5倍ぐらいのインフルエンザの陽性の患者さんになったんですよね」

19日、東京都はインフルエンザの患者数が「注意報レベル」に達したと発表。1医療機関あたりの患者数が1週間前と比べ倍増し、今後4週間以内に大きな流行が起きる可能性があるとされるレベルに達したということです。

今年の特徴として、高熱や頭痛、全身の倦怠感などの症状に加え、「吐き気」を訴える患者が多いといいます。さらに…

いとう王子神谷内科外科クリニック 伊藤博道院長
「(患者が)エレベーターの中で意識を失ってしまって、倒れてしまった。血圧や脈拍や意識にまで影響を及ぼすような重い症状の患者さんが、毎日のようにいるというのが今年の特徴かなと。今年のインフルエンザは一味違うと思った方がいいのではないか」

■約300種類の薬 入荷のめど立たず

そうした中、東京・江東区の「有明ファミリー薬局」では、患者への対応に追われていました。

有明ファミリー薬局 薬剤師 小林和正さん
「(患者に説明した)薬は咳止めなんですけども、入らないということで」

現在、インフルエンザ患者などの急増に伴い、咳止め薬や抗生物質などが不足してしまっているといいます。

処方された薬が欠品している場合、病院の医師に確認し、同じ効能の薬に変更するのですが、約300種類の薬の入荷のめどがたっておらず、代えの効かない薬を処方されている20人あまりの患者にまだ薬を渡せていません。

有明ファミリー薬局 薬剤師 小林和正さん
「(今月)26日までに薬が入荷されないと年内の入荷がないような状況になってしまいますので。年末年始も休まず営業するので、その方たち(患者)に対する薬を至急準備しなければいけないなという状況で動いている」

■インフル患者数増加 警報や注意報も…

井上貴博キャスター:
インフルエンザに加え、それ以外の感染症も流行っているため、感染症にアプローチする薬が不足しているということです。

12月9日~15日のインフルエンザの定点医療機関あたりの患者数は、前の週に比べ、▼警報レベルの大分は約3倍増加、▼注意報レベルの大阪は約2倍増加、▼注意報レベルの岩手は約2.5倍増加、▼東京も約2倍増加となっています。みなさんの周りでも流行っているのではないでしょうか。

■今年のインフル特徴は「吐き気」 市販薬にも注意 

今年の季節性インフルエンザの特徴は、高熱・頭痛・全身の倦怠感に加え、「吐き気」があげられるということです。

「市販薬を飲んで治そう…」と思う人も多いかもしれませんが、注意が必要です。

いとう王子神谷内科外科クリニックの伊藤博道院長は、「手当たり次第に解熱剤などを服用するのは危険。市販薬のなかには中枢神経系の障害が出る可能性もある」として、医療機関を受診してほしいとしています。

年末年始に体調を崩した場合、どうしたら良いのでしょうか。

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